目次
  • 要旨
  • お断り
  • CO2の吸収先
  • 参考URL
要旨

2021年8月9日に公開されたIPCC第6次評価報告書の第一次作業部会担当部分に関して複数回に分けてポイントを説明していきます。今回は、シナリオ別のCO2吸収先について解説しています。今回の報告書では、CO2排出量が多いシナリオほど大気での残存量が相対的に多くなることが予想されています。

お断り

AR6:第6次評価報告書のこと

WG1:第一作業部会のこと。自然科学的根拠の部分を担当する作業部会に当たります。

SPM:政策決定者向け要約のこと

CO2の吸収先

IPCC『Climate Change 2021 The Physical Science Basis Summary for Policymakers』を元に筆者作成

上図は5つのシナリオごとに、排出されるCO2の吸収先を予測したものです。例えば、SSP1-1.9シナリオでは、大気・海洋・陸上約1000GtCO₂ずつ吸収されるという予測がされています。陸上・海洋への吸収割合が70%と、約3分の2となっています。

ここで注目すべきことは、温暖化が進めば進むほど陸上・海洋への吸収量が相対的に少なくなっている点です。これは、大気での残存量が相対的に多くなっていくことを示しています。大気のCO2濃度が温暖化に大きく寄与していることを考えると、大気での残存量が相対的に多くなっていくことは気候変動対策に不利に働くということが分かります。

では、なぜ海洋と陸上への吸収量には限界があるのでしょうか?海洋に関しては、海水温が高くなると二酸化炭素の水に対する溶解度が減少することが大きな要因となっています。陸上に関しては、陸地の制限により植物の存在に限界があることが大きな要因となっています。

参考URL

IPCC(2021). Climate Change 2021: The Physical Science Basis
https://www.ipcc.ch/report/sixth-assessment-report-working-group-i/

環境省(2021). 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 6 次評価報告書第 1 作業部会報告書(自然科学的根拠)政策決定者向け要約(SPM)の概要(ヘッドライン・ステートメント)
http://www.env.go.jp/press/109850/116628.pdf

環境省(2021). 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 6 次評価報告書第 1 作業部会報告書(自然科学的根拠)と従来の IPCC 報告書の政策決定者向け要約(SPM)における主な評価
http://www.env.go.jp/press/109850/116629.pdf

気象庁(n.d.). 海洋による二酸化炭素の吸収・放出の分布
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/mar_env/knowledge/global_co2_flux/global_co2_flux_map.html

記:江波 太

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