目次
  • 要旨
  • お断り
  • 全球表面温度
  • 北極海の海氷面積
  • 海の酸性化
  • 海面上昇
  • 参考URL
要旨

2021年8月9日に公開されたIPCC第6次評価報告書の第一次作業部会担当部分に関して複数回に分けてポイントを説明していきます。今回は、気候変動による主要指標の変化について解説しています。今回の報告書では、全球表面温度、北極海の海氷面積、海洋の酸性化、海面上昇について各シナリオごとの予測を紹介しています。

お断り

AR6:第6次評価報告書のこと

WG1:第一作業部会のこと。自然科学的根拠の部分を担当する作業部会に当たります。

SPM:政策決定者向け要約のこと

全球表面温度

IPCC『Climate Change 2021 The Physical Science Basis Summary for Policymakers』を元に筆者作成

上のグラフは各5つのシナリオにおける全球表面温度変化を表しています。【IPCC解説④】気候変動の5つのシナリオでも紹介しましたが、SSP1の持続可能シナリオに則ることで温暖化が2度未満に留まる可能性が高まる事が分かります。

北極海の海氷面積

IPCC『Climate Change 2021 The Physical Science Basis Summary for Policymakers』を元に筆者作成

上のグラフは各5つのシナリオにおける9月の北極海の海氷面積を表しています。ここでも、SSP1の持続可能シナリオに則ることで、「実質的な無氷状態」を避けることができるということが分かります。

9月に無氷になることがなぜ問題なのでしょうか?それは、アイス・アルベドフィードバックという気候システムが働くからです。もし無氷状態になれば、表面が白(氷)から黒(海)に変わります。より多くの光が地上に吸収されることになるのです。それにより気温が上昇し、雪が降らなくなり、さらに氷が解けるのです。このような不可逆に近い現象を避けるためには、「実質的な無氷状態」を避ける必要があるのです。

海の酸性化

IPCC『Climate Change 2021 The Physical Science Basis Summary for Policymakers』を元に筆者作成

上のグラフは各シナリオにおける海洋表面の酸性化予測を表しています。酸性化がおこると海の生態系に大きな影響を与える点で、問題視されているのです。上のグラフによると、特にSSP3の地域分断シナリオとSSP5の化石燃料による発展シナリオに則ると酸性化が加速することが分かります。

海面上昇

IPCC『Climate Change 2021 The Physical Science Basis Summary for Policymakers』を元に筆者作成

上のグラフは各シナリオにおける海面上昇予測を表しています。ここで注目すべき点は、いずれのシナリオに則ったとしても、海面上昇は免れないという事です。沿岸部の災害レジリエンスを高める必要はありそうです。

参考URL

IPCC(2021). Climate Change 2021: The Physical Science Basis
https://www.ipcc.ch/report/sixth-assessment-report-working-group-i/

環境省(2021). 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 6 次評価報告書第 1 作業部会報告書(自然科学的根拠)政策決定者向け要約(SPM)の概要(ヘッドライン・ステートメント)http://www.env.go.jp/press/109850/116628.pdf

環境省(2021). 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 6 次評価報告書第 1 作業部会報告書(自然科学的根拠)と従来の IPCC 報告書の政策決定者向け要約(SPM)における主な評価http://www.env.go.jp/press/109850/116629.pdf

記:江波 太

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