目次
  • 要旨
  • お断り
  • 平衡気候感度
  • 参考URL
要旨

2021年8月9日に公開されたIPCC第6次評価報告書の第一次作業部会担当部分に関して複数回に分けてポイントを説明していきます。今回は、平衡気候感度について解説しています。今回の報告書では、その推計の幅が狭まっており、3℃という値が最も確度の高い値として紹介されています。

お断り

AR6:第6次評価報告書のこと

WG1:第一作業部会のこと。自然科学的根拠の部分を担当する作業部会に当たります。

SPM:政策決定者向け要約のこと

平衡気候感度

IPCC『Climate Change 2021 The Physical Science Basis』を元に筆者作成

平衡気候感度とは、大気中の二酸化炭素濃度が倍増した後で気候システムが再び平衡に戻ったときに全球表面気温が何度上昇するかを示した値です。

この値は、1980年のチャーニー報告書からAR6に至るまで、推計が繰り返しなされてきました。AR4まで順調に推計の幅が縮小してきたのですが、古気候や計測記録を加味するようになったAR5でその幅は発散します。しかし、今回のAR6ではさらに推計の材料を増やしたことで、これまでで最も幅が狭くなっています。高い確率で2.5-4℃の値を取ると結論付けられたのです。最良推定値は3℃で、大気中の二酸化炭素濃度が倍増した場合3℃の温暖化が起き、その後気候が安定するという事を示します。

参考URL

IPCC(2021). Climate Change 2021: The Physical Science Basis
https://www.ipcc.ch/report/sixth-assessment-report-working-group-i/

環境省(2021). 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 6 次評価報告書第 1 作業部会報告書(自然科学的根拠)政策決定者向け要約(SPM)の概要(ヘッドライン・ステートメント)http://www.env.go.jp/press/109850/116628.pdf

環境省(2021). 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第 6 次評価報告書第 1 作業部会報告書(自然科学的根拠)と従来の IPCC 報告書の政策決定者向け要約(SPM)における主な評価http://www.env.go.jp/press/109850/116629.pdf

記:江波 太

リクロマ株式会社<br>
リクロマ株式会社

当社は「気候変動時代に求められる情報を提供することで社会に貢献する」を企業理念に掲げています。

カーボンニュートラルやネットゼロ、TCFDと言った気候変動に関わる課題を抱える法人に対し、「社内勉強会」「コンサルティング」「気候変動の実働面のオペレーション支援/代行」を提供しています。

  • 有報における気候開示が義務化へ 現在の議論を整理
    2022年3月、金融庁は、2023年度より有価証券報告書における気候変動開示を義務化する方向で検討していることを発表しました。この記事では、有価証券報告書におけるTCFD開示の動向を、2022年3月24日の第7回 金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループの事務局説明資料と議事録をもとに当社が解釈した内容をお伝えします。
  • CDSB
    SASB(Sustainability Accounting Standards Board:サステナビリティ 会計基準審議会スタンダード)とは、将来的な財務インパクトが高いと想定されるESG要素に関する開示基準を設定している非営利団体です。
  • NZAO
    SASB(Sustainability Accounting Standards Board:サステナビリティ 会計基準審議会スタンダード)とは、将来的な財務インパクトが高いと想定されるESG要素に関する開示基準を設定している非営利団体です。
  • アジアに進出する日系企業の6割が脱炭素への取り組み
    脱炭素への取り組みが、アジア・オセアニア地域に進出する日系企業で広がっています。 独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO:Japan External Trade Organization。以下、JETRO。)が20 […]
  • ESG関連の投資信託の数が数年で倍増 金融庁調査
    ESG関連の投資信託(以下、ESG投信)の新規設定本数が、過去数年で倍増していることがわかりました。 2022年4月公表の金融庁の資料によると、ESG投信の新規設定本数は、2017年時点では6本だった一方、2020年に4 […]