ルフトハンザ航空とスカンジナビア航空の欧州航空2社は、バイオ燃料など「サステナブル航空燃料」(SAF)の使用を乗客が選べる新しい運賃体系を導入しました。SAFと化石燃料の差額などを任意で乗客に負担してもらう仕組みとなっています。


航空業界各社は、航空機からのCO2排出抑制に力を入れ、顧客向けのカーボン・オフセット・プログラムを導入しています。これらは森林保護や植林、自然エネルギー開発などへの投資が主となっています。ルフトハンザ航空とスカンジナビア航空は、SAFの購入・使用という新たな選択肢を設けたという点が新たな貢献です。

ルフトハンザ航空は、SAFと化石燃料の差額を計算、提示するプラットフォーム「Compensaid」を新たに開発しました。希望する顧客は差額を支払い、温暖化防止へ貢献することが出来る仕組みとなっています。「Compensaid」では当該フライトの飛行距離や飛行時間だけでなく、燃料消費量、排出されるCO2の量、使用機材の燃料消費効率も表示するため、自分の旅がどの程度環境に影響しているかを知るのに有用なツールにもなっています。また、「Compensaid」ではSAF購入以外にも、ニカラグアの植林プロジェクト等の気候保護プロジェクトの推進に寄付することもできるようになっています。

SAFの価格は従来の航空燃料の約4倍と依然として高いため、顧客に差額を支払ってもらうことで、同社のSAF利用量を増加させようという意図があります。

スカンジナビア航空は、CO2排出の絶対量を、2025年までに25%、2050年までに50%、それぞれ2005年の数値から削減するという目標を掲げ、2030年までに、スカンジナビア地域内のすべてのフライトを持続可能な航空燃料(SAF)を使用して運航すると掲げています。

【補足】
SAFとは、「Sustainable Aviation Fuel」の略で、廃食油や藻類、一般ごみなどを原料とするジェット燃料のことです。原料の植物が成長段階の光合成で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、SAFの利用は実質的な排出削減につながります。全日本空輸と日本航空がまとめたレポートによると、既存燃料に比べ原料の生産から燃焼までのCO2排出量を8割削減できる。

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リクロマ株式会社

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