Last Updated on 2024年12月29日 by Moe Yamazaki

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EcoVadisとは?

EcoVadis(エコバディス)とは世界的に信頼されている、企業のサステナビリティパフォーマンスを評価・改善するための企業です。

2007年にパリで創業され、グローバルなクラウドベースのSaaSプラットフォームを通じて、包括的な企業の社会的責任(CSR)を包括的に評価するサービスを提供しています。

レーティングの評価プロセスは、EcoVadisが独自に設定する7つのマネジメント原則に準拠しています。

そのうえで、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能性」の4つのテーマに沿った21個のCSR基準に関係する企業のデータを収集し、当該分野の専門家による分析やデータテクノロジーの活用を通じて、行われます。

これまで評価された企業の数は世界15万社以上に上り、さまざまな業種の事業に対応しています。

拠点

EcoVadisはフランスに本社をもつほか、以下のような国々に進出しています。

  • アメリカ
  • 日本(東京)
  • イギリス
  • 香港
  • モーリシャス
  • ポーランド
  • カナダ
  • ドイツ
  • スペイン
  • シンガポール

日本にあるエコバディス・ジャパン株式会社は、2019年に東京都千代田区に設立されました。

現在、EcoVadisの拠点は、世界11ヵ国に置かれています。

設立の目的

EcoVadisは、世界のビジネスにおいて最も信頼されるサステナビリティ評価を提供することを目的に設立されました。

具体的には、以下の使命を掲げています。

  • 信頼度が高く世界的に認められたサステナビリティ評価と考察を提供すること
  • 全ての企業がリスクを削減し、改善を実現できるようにすること
  • 企業が地球と社会に対してプラスの影響を加速できるようにすること

EcoVadisは、サステナビリティが経営の意思決定に影響を与える社会を目指しています。

したがって、企業を評価することで、経済だけでなく、生活や地球の未来に貢献していくことを目標としています。

Ecovadisの対応企業

EcoVadisは、購買企業がサステナビリティの観点から適格なサプライヤーを選定するための基準として、現在、世界180カ国以上の多様な業種130,000社以上の企業から信頼を得ています。(※2023年時点)

EcoVadisは、世界で1,200社を超えるバイヤー企業がサプライヤー評価に活用しています。

日本で対応している具体的な企業名の一例には、以下が挙げられます。

  • コカ・コーラ ボトラーズジャパン
  • 鈴与シンワート株式会社
  • 株式会社オカムラ
  • 株式会社不二家システムセンター
  • 東西石油化学
  • オリエント商事株式会社
  • 住商コスメ
  • 三菱商事ケミカル
  • 堺化学工業株式会社
  • 株式会社レゾナック(旧 昭和電工株式会社)

EcoVadisでは大手企業や創業100年を誇る老舗の工業会社など、さまざまな企業の評価を行っています。

評価手法の基本原則

Ecovadisの評価は、以下の7つの基本原則に基づいて行われます。

  1. 国際的な専門家による評価
  2. 業種、国、企業規模に合わせた 評価
  3. 信頼性の高い評価のために、情報源を多様化し豊富なデータを確保
  4.  安全かつ機密性の高いプロセスと サイクルタイムの短縮を実現するためのテクノロジーの活用
  5. 文書の追跡可能性と透明性
  6. 証拠に基づく評価
  7. 継続的な改善による精度向上

上記に基づいて包括的に評価した0~100までのスコアと、企業ごとの強み・改善点をまとめたものが、スコアカードです。

スコアカードには、スコアに相当する4種類のメダル(ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナ)も記載されます。

評価を受けた企業は、評価内容や改善点をもとにさらなるスコアアップを目指していくことになります。

企業におけるサステナビリティ評価は、高い正確性と的確に数値化されることが重要です。

信頼できる基準における評価であるか、評価している組織の信頼性も肝要となります。

EcoVadisの評価手法は、Global Reporting Initiative、国連グローバル・コンパクト、ISO26000などの世界基準のサステナビリティ・スタンダードに基づいています。

185ヵ国以上で活用され、250以上の業種に対応している第三者機関のEcoVadisの評価は、十分に信頼できるものであるといえるでしょう。

Ecovadisに対応するメリット

Ecovadisの評価に対応することは、バイヤーとサプライヤー両方にメリットがあります。

バイヤー側はリスク管理や高い信頼性が得られる点、サプライヤー側には、自社の強み・弱点を理解できることが大きなメリットといえるでしょう。

バイヤー側のメリット

Ecovadisの評価をサプライヤー側に促すことで、バイヤー側には以下のメリットが考えられます。

  • サプライチェーン上のリスク回避・改善を継続的に促せる
  • 信頼性の高い第三者機関であるEcovadisの評価を得られる
  • 取引先のCSRパフォーマンスを監視できリスク管理を行う
  • リスクを把握でき、自社の強みや改善点、KPIが把握できる

Ecovadisをサプライヤーに依頼するバイヤーの大きなメリットとして、サプライチェーン上の包括的なリスクを把握し管理できることが挙げられます。

サプライヤーの取り組みが明確になるため、環境問題への取り組みや規約違反などの課題が起こりそうな取引先を、早期に発見しやすくなります。

また、信頼性の高いEcovadisの評価により透明性が向上し、バイヤー・サプライヤーともに強固な信頼関係を生むことも期待できるでしょう。

サプライヤー側のメリット

Ecovadisの評価を受けることで、サプライヤー側には以下のメリットがあるでしょう。

  • 強みと改善点を理解できる
  • 取引先とのエンゲージメントを深められる
  • 自社のベンチマークを確認し、他社と比較できる
  • 継続的な改善を期待できる
  • Ecovadisのプラットフォーム上で、CSRパフォーマンスを取引先に共有できる

サプライヤーがEcovadisの評価を受けるメリットとして、自社のサステナビリティへの取り組みを可視化し、強みと改善点への理解が深められることが挙げられます。

可視化によりバイヤーとの関係がより強固なることや、自社のサステナビリティへの取り組みがひとつのブランドになることも期待できるでしょう。

また、自社のCSR評価結果をEcovadisのプラットフォーム上で共有できるため、旧来必要だった説明や報告の労力や時間を省くことも可能です。

スコアカードにより自社が取り組むべき課題や問題点が見えるため、やみくもに環境問題解決に手を出すことなく、サステナビリティの向上を目指せます。

まとめ

今回は、Ecovadisについての基礎知識と、対応するメリットについてまとめました。

Ecovadisは世界的に信頼され、的確にサステナビリティの評価や課題を明確にしてくれる評価機関です。

信頼度の高い第三者機関であるEcovadisの評価により、バイヤー側は信頼を勝ち取ることができ、サプライヤー側は自社の弱点を明確化し継続的な改善などが期待できます。

Ecovadisの評価を利用してサステナビリティにおける漠然とした煩慮を解消し、さらなるビジネスチャンスに活かしましょう。

参考文献

EcoVadisホームページ
https://ecovadis.com/ja

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  • 大学では気候変動の経済学を専攻し、リクロマ株式会社には創業初期よりコンサルタントとして参画。 情報開示支援を中心に温室効果ガスの排出の算定や高度なシナリオ分析の業務を担う。

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