Last Updated on 2024幎12月31日 by Moe Yamazaki

䌁業の脱炭玠経営を積極的に進めるサステナ担圓者の方の䞭には、

「カヌボンニュヌトラルに぀いお詳しく知りたい。」
「カヌボンニュヌトラルに取り組む䌁業はどれくらいあるのか知りたい。」
「䌁業がカヌボンニュヌトラルに取り組むメリットに぀いお知りたい。」

このような悩みを抱えおいる方も倚いのではないでしょうか。

本蚘事ではこのような悩みを解決しおいきたす。
蚘事を最埌たで読んでいただければ、䞊蚘悩みに぀いお解決できるかず思いたすので、ぜひ最埌たでお付き合いください。

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カヌボンニュヌトラルずは

カヌボンニュヌトラルに぀いお知りたいず思われおいるサステナ担圓者の方は、カヌボンニュヌトラルが䜕かはもちろんのこず、パリ協定や目暙ずされる数倀に぀いおも詳しく理解しおおく必芁がありたす。

カヌボンニュヌトラルの定矩

二酞化炭玠などの枩宀効果ガス排出量を枛らし、怍林などの二酞化炭玠吞収量を増加させるこずにより、党䜓で芋た枩宀効果ガス排出量を実質れロにする考えです。

䞖界でも2021幎4月時点で125の囜ず1぀の地域がカヌボンニュヌトラルを2050幎たでに実珟するず公開されおいたす。

122-1-1
出兞経枈産業省 資源゚ネルギヌ庁「脱炭玠化に向けた諞倖囜の動向」

枩宀効果ガスの排出量を削枛するためには、省゚ネだけでなく再゚ネなどの脱炭玠化技術を積極的に導入し掻甚するこずが䞍可欠です。

しかし、枩宀効果ガス排出量自䜓をれロにするわけではなく、カヌボンニュヌトラルは吞収も考慮する必芁があるため泚意が必芁です。

電力等の゚ネルギヌを䜿わないこずは珟実的に䞍可胜であり、枩宀効果ガス排出量に察し陀去量ず吞収量を合わせ党䜓で実質的なれロを目指すのがカヌボンニュヌトラルの考え方です。

カヌボンニュヌトラルは、2015幎に開催されたパリ協定で定められた目暙を実珟するために掲げられたものであり、カヌボンニュヌトラルを理解するためには、パリ協定に぀いおも理解しおおく必芁がありたす。

パリ協定

2016幎11月に発効され、2020幎以降における枩宀効果ガスの排出量を枛らすために蚭立された囜際的な枠組みのこずです。

囜連気候倉動枠組条玄が1994幎に発効されおから、枩宀効果ガスを安定させるこず、気候倉動ぞの悪圱響を防止する目的で、毎幎締玄囜䌚議が開かれおおり、2015幎に開かれた第21回締玄囜䌚議でパリ協定が採択されたした。

パリ協定が取り組む䞻な内容は、以䞋の通りです。

・産業革呜前ず比べ、地球の平均気枩䞊昇を2℃未満に抑え、1.5℃未満に抑える努力を継続するこずが目暙ずする。
・2020幎以降における䞖界での枩宀効果ガス排出量を枛らすために、途䞊囜や先進囜で区別せず、それぞれの囜で気候倉動に察しお察策をする。
・すべおの囜で、それぞれの囜情を考慮し枩宀効果ガスの排出量を枛らす、たたは抑制する目暙を定める。
・透明性を向䞊させるために、枩宀効果ガスの排出量、および掻動状況を5幎ごず事務局に提出する。曎新が必芁であれば、よりレベルの高い目暙を定める。
・目暙達成のために、財務資源を適切に掻甚し、新技術開発ず移転、それぞれの囜における胜力の向䞊に取り組む。先進囜は途䞊囜に察しお、それぞれのNDCが達成できるようサポヌトする。
・気候倉動察策で、枩宀効果ガスの排出量を枛らすために、゚ネルギヌ政策などの緩和策のみならず、すでに発生しおいる気候倉動䞋に察する察応や備えずしお適応策を怜蚎する。

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日本の削枛目暙

日本は2020幎10月にカヌボンニュヌトラルを2050幎たで達成するこずを目暙ずしお宣蚀し、21幎の4月では2030幎床たでに枩宀効果ガス排出量を2013幎床ず比べお46%削枛させるこず、さらには50%削枛に向け取り組むこずを発衚したした。

カヌボンニュヌトラルに取り組む䌁業数

カヌボンニュヌトラルに取り組む䌁業は、幎々増加しおいたす。

囜際的むニシアチブ「TCFD」「SBT」「RE100」に取り組む䌁業数、囜内のSBT認定䌁業数に぀いお詳しく解説したす。

囜際的むニシアチブ「TCFD」「SBT」「RE100」

囜際的むニシアチブ「TCFD」「SBT」「RE100」に取り組む日本䌁業の数は、以䞋画像の通りずなっおおり、日本は䞖界でトップクラスの䌁業数を誇っおいたす。

TCFDは、日本で気候関連財務情報開瀺タスクフォヌスず呌ばれたす。

それぞれの䌁業における気候倉動の取り組みを、䌁業に具䜓的に開瀺するよう掚奚する囜際的組織です。

既存の財務情報に察し、環境リスクだけでなく、察応状況も公開するよう提蚀されおおり、組織や䌁業の積極的な環境問題に察する取り組みや、投資家や金融機関に向けたESG投資を掚進させ、よりスピヌディヌに䜎炭玠瀟䌚ぞ移行するこずが目的です。

SBTは、CDPず囜連グロヌバルコンパクト、䞖界自然保護基金、䞖界資源研究所により共同運営されおいる囜際的なむニシアチブであり、科孊的根拠に基づく枩宀効果ガス排出量の削枛目暙を指したす。

たた、RE100ずは、2014幎に結成された事業掻動を再゚ネ電⌒により100賄うこずを目指した䌁業連合です。

2050幎たでに⟃瀟のグルヌプ党䜓における消費電⌒を、再゚ネ率100%にするこずが目暙であり、2030幎たでに再゚ネ割合を60%、2040幎たでには再゚ネ割合を90%にするこずを䞭間目暙ずしお定めおいたす。

この3぀は、枠組みが異なるだけで、いずれもカヌボンニュヌトラルに深く関係しおいたす。

参考文献環境省「TCFD、SBT、RE100 取組䌁業数」

囜内のSBT認定䌁業数は増加傟向

地球環境問題の深刻化が進み続け、䞖界的に脱炭玠瀟䌚ぞの取り組みが掻発化しおいる理由から、囜や䌁業は枩宀効果ガスの排出量をできるだけ抑えた経枈掻動を行う必芁がありたす。

サプラむチェヌン䌁業では、脱炭玠化に察しおの取り組みを行うこずで、サプラむダヌからの信頌を高められるため、発泚しおもらえる可胜性が高くなりたす。

たた、ESG投資など、環境問題を意識しおいる䌁業に察する投資が拡倧しおいるこずため、これからの瀟䌚で継続しお経枈掻動を行っおいくには、環境に配慮した掻動が䞍可欠です。

そのような理由から、SBTの目暙を提出する䌁業が増加しおいたす。

なお、環境省が公開しおいるデヌタでは、2024幎3月時点でSBT認定を取埗しおいる、もしくは取埗するこずに※コミットした䌁業数は、日本だけで芋おも玄1000瀟です。

※コミットSBT認定を2幎以内に取埗するず宣蚀するこず

出兞環境省「SBT参加䌁業」

䌁業がカヌボンニュヌトラルに取り組むメリット

䌁業がカヌボンニュヌトラルに取り組むメリットは、倧きく分けおコスト削枛、競争力匷化、䌁業䟡倀向䞊の3぀がありたす。

それぞれ詳しく解説しおいきたす。

メリット①:コスト削枛

コスト削枛の面では、電力・燃料コスト削枛がありたす。

電力・燃料コスト削枛

脱炭玠化瀟䌚を実珟するために、最も基本的ずいえる取り組みは、珟圚消費しおいる゚ネルギヌを芋盎し、より効率の高い゚ネルギヌ消費サむクルに倉えるこずです。

省゚ネ化を行うこずにより、枩宀効果ガス排出量を枛らすこずに貢献したすが、結果的に䌁業における゚ネルギヌ消費でのコスト削枛に繋がりたす。

近幎では電力の省゚ネ化を掚進しおいる䌁業に向け補助金が支絊されるため、そのようなリ゜ヌスを䞊手く利甚し぀぀、省゚ネ蚭備を導入する䌁業も増加しおいたす。

メリット②:競争力匷化

競争力匷化の面では、リスク䜎枛・新たなビゞネスチャンス獲埗がありたす。

リスク䜎枛

カヌボンニュヌトラル実珟の目暙蚭定をしたり、実際の取り組み内容を公開したりするこずにより、炭玠皎などのカヌボンプラむシングによる圱響や環境芏制によるリスクを䜎枛できたす。

カヌボンプラむゞングずは、気候倉動問題における䞻な芁因ずされおいる炭玠に察し䟡栌を蚭定する仕組みです。

この仕組みにより、炭玠を排出しおいる䌁業などに察し排出量に芋合った金銭的な負担を䞎えるこずで、政府は䜎炭玠瀟䌚の掚進が期埅できたす。

䌁業はカヌボンニュヌトラルに取り組むこずで、このような金銭的負担を背負わされるリスクの軜枛が可胜です。

たた、環境芏制では代衚的なものに動車排出ガス芏制がありたす。

窒玠酞化物や硫黄酞化物などを倚く排出するディヌれル車に、厳しい芏制を定める方向にありたす。

このように環境に配慮されおいない補品は、今埌芏制を受ける可胜性が高いです。

しかし、カヌボンニュヌトラルに取り組むこずで、このようなリスクも軜枛できたす。

新たなビゞネスチャンス獲埗

カヌボンニュヌトラル実珟に向けお取り組むこずで、新たなビゞネスチャンスを獲埗できる可胜性が高いです。

珟代では、深刻化する地球環境問題から、カヌボンニュヌトラルを意識した商品が評䟡されおいたす。

䟋えば、食品の容噚を補造しおいる䌁業の堎合、競合他瀟ず比べ、゚コで地球にやさしい商品の開発に成功すれば、ブルヌ・オヌシャンのため倧きな利益が期埅できたす。

環境保護を慈善事業ずしおむメヌゞするのは時代遅れであり、珟代では環境保護を意識した経枈掻動が必芁䞍可欠です。

メリット③:䌁業䟡倀向䞊

䌁業䟡倀向䞊の面では、ステヌクホルダヌからの評䟡向䞊・サプラむダヌ遞定・投資・融資機䌚増加がありたす。

ステヌクホルダヌからの評䟡向䞊

近幎の瀟䌚颚朮では、䌁業が地球環境に配慮した掻動を行っおいるかが、非垞に重芁芖されおいたす。

このような珟代で脱炭玠経営を実斜するこずで、ステヌクホルダヌからの信頌など、評䟡の向䞊が期埅できたす。

サプラむダヌ遞定

近幎では、サプラむダヌに察しお、枩宀効果ガス排出量の削枛を芁求する動きが広がっおいたす。

理由は、SBTなど枩宀効果ガス排出量削枛のルヌルや、投資家からの評䟡基準が自瀟の枩宀効果ガス排出量Scope1・2だけでなく、サプラむダヌなどのサプラむチェヌン䞊における枩宀効果ガス排出量Scope3に関しおも察象だからです。

そのため、カヌボンニュヌトラルに取り組むこずで、サプラむダヌ遞定で優䜍に立぀こずができたす。

投資・融資機䌚増加

カヌボンニュヌトラルに取り組むかどうかは、資金調達の面でも倧きく圱響しおきたす。

近幎では、環境や瀟䌚に察し配慮した事業に取り組んでおり、適切な䌁業統治(ガバナンス)が行われおいる䌁業に投資しようずいうESG投資が拡倧しおいたす。

そのため、カヌボンニュヌトラルに取り組む䌁業の方が、投資や融資しおもらえる可胜性が高いです。

たずめ

カヌボンニュヌトラルずは、二酞化炭玠などの枩宀効果ガス排出量を枛らし、怍林などの二酞化炭玠吞収量を増加させるこずにより、党䜓で芋た枩宀効果ガス排出量を実質れロにする考えです。

カヌボンニュヌトラルに取り組む䌁業は、幎々増加しおおり、囜際的むニシアチブ「TCFD」「SBT」「RE100」に取り組む日本䌁業の数は、䞖界でトップクラスの䌁業数を誇っおいたす。

䌁業がカヌボンニュヌトラルに取り組むメリットには、倧きく分けおコスト削枛、競争力匷化、䌁業䟡倀向䞊の3぀がありたす。

カヌボンニュヌトラルに取り組むこずで、さたざたな面でメリットが期埅できるため、䌁業の脱炭玠経営を積極的に進めるサステナ担圓者の方は、カヌボンニュヌトラルの抂芁や䌁業が取り組むメリットに぀いお十分理解しおおくこずが倧切です。

カヌボンニュヌトラル

 枩宀効果ガス排出量算定の具䜓的プロセスを知る

枩宀効果ガス排出量の「算定」に぀いお、䞀通り理解できるホワむトペヌパヌです。
「どんなデヌタ/蚈算匏」を甚い、「どんなプロセス」で算定するのかを理解できたす。

参考文献

[1]経枈産業省 資源゚ネルギヌ庁「脱炭玠化に向けた諞倖囜の動向」
[2]環境省「SBT参加䌁業」

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Author

  • 倧孊では気候倉動の経枈孊を専攻し、リクロマ株匏䌚瀟には創業初期よりコンサルタントずしお参画。 情報開瀺支揎を䞭心に枩宀効果ガスの排出の算定や高床なシナリオ分析の業務を担う。

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