Last Updated on 2024幎12月31日 by Moe Yamazaki

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排出量取匕はカヌボンニュヌトラルな瀟䌚を達成する仕組みずしお、近幎䌁業や囜の気候倉動察策ずしお掻発化しおいたす。しかし、どのような取り組みが行われおいるのか、日本囜内でどのような動きを䌁業がずるこずができるのか、䞍透明に感じおいらっしゃる方も倚いのではないでしょうか。そこで、今回は囜内党域の排出量取匕制床ずしお泚目されおいるGX-ETSに぀いお、抂芁ず䌁業に求められる察応をわかりやすく解説したす。

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⇒カヌボンプラむシングずは囜内倖の動向ず䌁業ぞの圱響を解説

目次

GX-ETS(GXリヌグにおける排出量取匕制床)ずは

GX-ETS(GXリヌグにおける排出量取匕制床)ずは、枩宀効果ガスの排出削枛を目的ずした垂堎メカニズムの䞀぀です。具䜓的には、䌁業や組織に察しお排出量の䞊限キャップを蚭定し、その䞊限を超えないようにするための取匕制床です。

近幎、GXリヌグにおける掻動の䞀環ずしお、排出量取匕の導入に向けた掻動が掻発化しおいたす。

GXリヌグは、「CN(カヌボンニュヌトラル)ぞの移行に向けた挑戊を行い、囜際ビゞネスで勝おる䌁業矀がGXを牜匕する枠組み」ずしお、経枈産業省が2023幎4月から提䟛する堎です。

GXリヌグにおける掻動は4項目に分類されおいたす。

GXリヌグの掻動内容
GXリヌグの掻動内容参考GXリヌグ取組抂芁 What is GX League

GXリヌグの掻動にも含たれおいる「排出量取匕」ずは、各䌁業ごずに蚭定された枩宀効果ガス排出量を基準に、排出量の差分を売買する制床です。排出量取匕制床には京郜議定曞における囜際取匕や各郜道府県で独自に行われおいる制床もありたすが、本皿ではGXリヌグで導入される、GX-ETS(GXにおける排出量取匕制床)に぀いお詳しく解説したす。

これたでの動向

GX-ETSに぀いお、2022幎月から孊識有識者による怜蚎䌚が開催されたした。

孊識有識者による専門的芋地からの意芋を参考に、GXリヌグ賛同䌁業の察話を基盀ずしお、経枈産業省による排出量取匕ルヌル等の策定が行われおきたした。

たた、囜内事業者間で倚く取匕されおいるJ-クレゞットを察象にした実蚌詊隓や取匕環境の敎備に向けたシミュレヌションも実斜されおいたす。

その埌䞊蚘の掻動を基に、2023幎2月14日のGXリヌグシンポゞりム2023においお抂芁の説明が行われ、2023幎4月から本栌的に開始される予定です。

GX-ETS(GXリヌグにおける排出量取匕制床)の内容

フェヌズ

GX-ETSは、倧きく3フェヌズに分けお展開されたす。
第1フェヌズ今埌に向けた排出量取匕の詊行2023幎床2025幎床
第2フェヌズ排出量取匕の本栌化2026幎床2032幎床
第3フェヌズ排出量取匕の拡倧・進展2033幎床

GX-ETSのフェヌズの展望
フェヌズの展望参考参考資料2_GX-ETSの抂芁

盎近の第1フェヌズでは、以䞋4項目から構成される自䞻的な排出量取匕が行われたす。

① プレッゞ

② 実瞟報告

③ 取匕実斜

④ レビュヌ

それぞれの項目に぀いお、より詳现に解説しおいきたす。

第1フェヌズの内容

①プレッゞ

プレッゞずは、枩宀効果ガス排出量目暙を決めるステップを指したす。
排出量の目暙は、囜内における盎接・間接排出それぞれに぀いお、

[1] 2030幎床における排出削枛目暙
[2] 2025幎床における排出削枛目暙
[3] 第䞀フェヌズ(2023幎床~2025幎床)における排出削枛量総蚈目暙

の3項目を蚭定するこずが芁求されおいたす。

具䜓的には、「排出量〇〇t-CO2」や、「排出量削枛率 〇〇%」ずいったものになるず考えられたす。この蚭定はあくたで各瀟が自ら行うものになりたす。各瀟の排出削枛目暙を囜が決定する匷制的な制床ではなく、自䞻的な排出削枛であるこずが反映されおいる圢匏です。第1フェヌズで削枛される排出量は限定的になりたすが、フェヌズが進行するに぀れお匷制力が増すず考えおおいたほうがよいでしょう。

排出削枛目暙は原則2013幎床における排出量を基準に蚭定し、2013幎床以倖を遞択する堎合は、基準幎床を含む3ヶ幎の平均倀を䜿甚するこずずされおいたす。

ただし、鉄鋌・玠材・゚ネルギヌ等の倚排出事業者に぀いおは、トランゞション・ロヌドマップに沿った削枛経路を認めおおり、業皮間の栌差に配慮しおいたす。

蚭定した排出削枛目暙は、GXダッシュボヌドず呌ばれる情報開瀺プラットフォヌムに蚘茉を行いたす。

GXダッシュボヌドのむメヌゞ

②実瞟報告

囜内における盎接・間接排出の排出量実瞟の算定・報告を行いたす。幎床ごずに、翌幎床の10月末たでに行うこずずされおいたす。具䜓的な算定方法に぀いおは、枩察法に基づく枩宀効果ガス排出量算定・報告・公衚制床SHK制床等を基に行うずされおいたす。

算定・報告における第䞉者怜蚌の必芁有無が䌁業によっお異なり、2021幎床の盎接排出量が10侇t-CO2e以䞊の䌁業のみ、第䞉者怜蚌が必芁です。

参画䌁業の排出量の違いによる取扱い
Groupの盞違点参考GX-ETSにおける第1フェヌズのルヌル

③取匕実斜

排出量実瞟の算定・報告が完了した埌、排出量に応じお取匕を行いたす。
ここで重芁になるのが、NDC氎準超過削枛枠創出氎準ず呌ばれるものです。NDC氎準ずは、「基準幎床から2050幎ネットれロ達成たで、盎線的な削枛経路を蟿るず仮定したずきの削枛率」を指したす。

以䞋の図に瀺されおいる通り、2030幎では46%削枛ペヌス、2023〜2025幎においおは平均29.7%削枛ペヌスずなりたす。このNDC氎準を䞋回ったか吊かで、削枛量を売华できるかが倉わりたす。自瀟蚭定の削枛目暙基準ではない点に泚意が必芁です。

2013幎床を基準幎床ずした堎合のNDC氎準
NDC氎準のむメヌゞ図参考GX-ETSにおける第1フェヌズのルヌル

[1] 排出実瞟がNDC氎準をクリアした堎合
NDC氎準を䞋回った分に぀いお、超過削枛枠ずしお売华するこずができたす。

NDC氎準を䞋回った分に぀いお、超過削枛枠ずしお売华するこずができる。

[2] 自瀟蚭定の削枛目暙をクリアしたが、NDC氎準を超過した堎合
自瀟蚭定の削枛目暙はクリアしおいおも、超過削枛枠を売华するこずはできたせん。
䞀方自瀟蚭定の削枛目暙をクリアしおいるため、釣果削枛枠等を賌入する必芁もありたせん。

[3] 自瀟蚭定の削枛目暙に未達だった堎合
自瀟蚭定の削枛目暙に未達だった堎合、以䞋3通りの察応が遞択肢ずなりたす。

  1. 超過削枛枠の賌入
  2. カヌボンクレゞットの賌入 J-クレゞット・JCMのみが適栌
  3. 未達理由の説明

GXリヌグは任意の枠組みであるため、未達理由の説明ずいった遞択肢があるようです。これにより削枛効果は枛るこずが予想されたすが、参加の敷居が䞋がる効果もありたす。


GXリヌグは任意の枠組みであるため、未達理由の説明ずいった遞択肢がある。

④レビュヌ

目暙達成状況および取匕状況に぀いおも、GXダッシュボヌドで公衚を芁求されたす。

たた、排出削枛ず成長に取り組む倚排出䌁業に察しおは、各皮支揎策ずの連動が怜蚎されるずされおいたす。

GX-ETS(GXリヌグにおける排出量取匕制床)における䌁業が行うべき察応

GX-ETSの内容を把握したずころで、GXリヌグの開始に䌎い䌁業がずるべき行動に぀いお解説したす。䌁業ずしお行うべき掻動は、珟時点の参画状況によっお倉わりたす。

賛同䌁業の察応

賛同䌁業の察応事項に぀いおは、

  • 参画に必芁な察応
  • 参画埌に向けた察応

に分けお説明したす。

参画に必芁な察応

2022幎2月1日に公衚された「GXリヌグ基本構想」ぞの賛同䌁業が募集され、2023幎1月31日時点で679瀟の賛同が衚明されたした。これらの賛同した䌁業が参画を望たない堎合、移行しない旚を事務局に通知する必芁がありたす。たた、第1フェヌズ䞭に脱退した堎合、第1フェヌズ䞭の再参画は認められおいたせん。

GXリヌグの芏暡やペナルティが小さいこずに鑑みお、賛同した䌁業はそのたた参画するこずが望たしいでしょう。

GX-ETSにおける第1フェヌズのルヌル
参画・脱退の期間参考GX-ETSにおける第1フェヌズのルヌル

非賛同䌁業の堎合、参画には申請曞の提出が必芁がありたすが、
すでに賛同しおいる堎合、参画にあたっおアクションを起こす必芁はありたせん。

参画埌に向けた察応

具䜓的な察応事項は実斜の際に確認する必芁がありたすが、ここでは、特に泚意したいポむントを解説したす。

芏皋の確認

「GXリヌグ芏皋」を確認し、算定や報告に必芁な事項・ルヌルを確認しおおきたしょう。この芏皋を基に、党おの業務を行うこずになりたす。

なお、[GXリヌグ芏皋」は、

① 基準幎床排出量算定ガむドラむン
② 算定・モニタリング・報告ガむドラむン
③ 第䞉者怜蚌ガむドラむン

によっお構成されたすが、①②は2023幎3月31日たでに策定、③は2023幎倏頃たでに策定される予定です。

特に、②における枩宀効果ガスの算定方法は、枩察法に基づく枩宀効果ガス排出量算定・報告・公衚制床SHK制床の手法が採甚されるため、Scope1・2の算定で甚いたGHGプロトコルずの盞違点に泚意が必芁です。
ただし、Scope1・2のデヌタが党く䜿甚できないわけではなく、䞀郚の倉換・補足をおこなった䞊での䜿甚が認められおいたす。

盞違点は倧きく二぀に分けられたす。

  • GX-ETS・Scope1・2の双方で算定察象だが、䞡瀟で算定方法が異なる項目
  • GX-ETSでは算定察象倖だが、Scope1・2では算定察象の項目

トランゞション戊略の䜜成

参画の際、基準幎床・排出削枛目暙の提出が求められたすが、それに加えトランゞション戊略の提瀺が求められたす。トランゞション戊略は以䞋の芁玠から構成されたす。

  • カヌボンニュヌトラルの目暙幎床
  • 削枛目暙に察する具䜓的斜策
  • 戊略を実行するためのガバナンス䜓制

トランゞション戊略のむメヌゞ
トランゞション戊略のむメヌゞ図参考GX-ETSにおける第1フェヌズのルヌル

特に削枛目暙に察する斜策に぀いおは、䞀定の具䜓性を求められるこずが掚枬されたす。
削枛目暙の策定には、珟時点における排出量・配分を認知しおおく必芁がありたす。

非賛同䌁業の察応

盎近の第1フェヌズではあくたで自䞻的な掻動ずされおいたすが、取り組みの成果が十分でない堎合、政府が匷制的に排出量制限を蚭ける可胜性も瀺唆されおいたす。
賛同しおいない䌁業にずっおも、今埌矩務化された時に備えお、察応する準備が必芁になりたす。

GXリヌグの抂芁把握

GX-ETSはGXリヌグの䞀郚にすぎず、他にも掻動が行われおいたす。
今埌賛同・参画する堎合に備え、GXリヌグの抂芁・動向に぀いお把握する必芁がありたす。匊瀟ではGXリヌグの抂芁に぀いおも解説しおおりたす。詳しくは、「GXリヌグの参加のメリットず参加条件、今埌の動向」をご芧ください。

GXリヌグぞの参画

これたでの解説にある通り、GXリヌグはあくたで自䞻的な掻動であり、倧きな眰則は生じたせん。今珟圚賛同しおいる䌁業ですでに囜内排出量の4割以䞊を占めるずいわれおおり、今埌拡倧するであろうGXリヌグに参画するこずは、気候倉動ぞの察応に遅れをずらないための倧事なステップず考えられたす。

新芏参画䌁業の参画スケゞュヌル
新芏参画䌁業の参画スケゞュヌル参考参考資料2_GX-ETSの抂芁

参画・参画埌の察応事項は、以䞋の通りです。

1.参画申請曞の提出2023幎2月1日〜4月28日

GXリヌグ事務局は、2023幎2月1日〜4月28日の期間においお、GXリヌグ参画䌁業を募集しおおりたす。詳しくはGXリヌグ参画募集芁綱(非賛同䌁業向け)に蚘茉がございたすので、ご芧ください。

2.取り組み内容の報告2023幎5月䞊旬〜9月29日

2023幎9月29日たでに、「GXリヌグ参画䌁業に求められる取り組み」に぀いお、GXリヌグ事務局に提出する必芁がありたす。なお、様匏や提出方法の詳现に぀いおは、事務局から発衚されたす。

3.幎次報告2024幎以降の10月末

2024幎床以降、毎幎10月末日たでに、前幎床排出実瞟等の報告を行いたす。たた、「GXリヌグ参画䌁業に求められる取り組み」の実斜状況を提出する必芁がありたす。

枩宀効果ガス排出量算定の䜓制・実斜

GX-ETSでは自瀟の盎接・間接排出量を算定・報告する必芁がありたす。GX-ETSに限らず、自瀟の枩宀効果ガス排出量の算定・報告は、TCFD提蚀等でも察応を求められおおり、喫緊の課題ず蚀えたす。
なお、匊瀟では枩宀効果ガス排出量の算定支揎を行っおおりたす。詳しくは「【支揎事䟋】TCFD開瀺 スコヌプ1,2,3排出量算定の支揎 ã€ã®æ”¯æŽäº‹äŸ‹èš˜äº‹ã‚’ご芧ください。

たずめ

今回は、GX-ETSずは䜕かに぀いお解説したした。各䌁業に留たらず、日本党䜓での経枈的な枩宀効果ガス排出削枛に぀ながるGX-ETSは、今埌より圱響力を増すず考えられたす。気候倉動ぞの動向を把握するためにも、GXリヌグぞの参画を怜蚎されるこずを掚奚いたしたす。

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  • 広告代理店の新芏事業郚にお、シェアリング゚コノミヌ事業の事業開発に埓事。その埌、事業譲枡を機にリクロマ(æ ª)に参画し、プラむム䞊堎䌁業を䞭心に、情報開瀺、評䟡機関察応、新芏事業創出の支揎を実斜。 CDP気候倉動、CFP算定、カヌボンクレゞット領域を䞻に担圓。

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