Last Updated on 2024年8月22日 by Moe Yamazaki
【気候変動関連用語がまるわかり!用語集はこちら】
脱炭素化の動きが急激に進んでおり、CO2排出量の算定を検討している企業も多いことと存じます。
算定には、CO2排出量を自動で算定するシステムを利用する場合と、Excelで手入力する場合があります。
本記事では、CO2排出量算定における、システム算定とExcel算定の違いやメリット・デメリットを解説いたします。
関連記事はこちら!
⇒CO2排出量の計算方法とは?基本的な概要・ステップを解説
GHG排出量算定の具体的プロセスを知る、「Scope123の算定方法とは?」
⇒資料をダウンロードする
①効率的な算定・見える化
多くのシステムは、請求書やレシートをアップロードすることで自動的に排出量を算定することができます。よって、データを手入力する手間が省け、効率的な算定が可能です。
排出量を各部門ごとで見える化することができるため、削減する部門の判断や進捗の管理を効率的に行うことができます。
②多様な便利機能
CO2排出量の算定だけではなく、さまざまなサービスを提供している場合があります。
例えば、カーボンオフセット対応、気候変動に関する情報開示に使用できるレポート作成対応、分析機能、アドバイザリーサービスなどがあります。
システムによって対応しているサービスは異なるため、選ぶ際には自社の目的と照らし合わせて決定する必要があります。
GHG排出量算定の具体的プロセスを知る、「Scope123の算定方法とは?」
⇒資料をダウンロードする
CO2排出量算定システムのデメリット
①各機能にオプション料金が発生する
導入するシステムによって異なりますが、料金に含まれている機能は基本的なものが多く、機能の拡張には追加の料金が発生します。
例えば、排出量算定・対象範囲の拡張(Scope3や各カテゴリー)・分析・レポート作成・カーボンオフセット対応・海外拠点対応など、さまざまな機能の追加により料金が変わります。
特に、Scope3やサプライチェーン全体の管理等に対応していないシステムもあるため、自社でどこまで取り組みを行うか決定し、算定可能な範囲であるか確認することが大切です。
②システムは支払い続けなければならない
CO2算定システムは一度の購入で継続的な使用が可能であると誤解されてしまう方が一定数いらっしゃいます。しかし、実際にはほとんどのシステムには初期費用+月額費用がかかります。
そのため、システム利用のためには料金を毎月継続的に支払う必要があります。
③導入をすると内製化が不可能になる
システム算定は請求書や領収書のアップロードを行うことで自動的に排出量の算定がされるサービスが多くあります。そのため、データがシステムに依存してしまい、内製化が実質不可能になってしまいます。
システム利用をやめてしまった場合、算定した数値自体は保持しているものの、管理をする媒体が無くなってしまいます。その場合、再度CO2排出量算定システムを利用するか、一からExcelを用いて管理する必要があります。
CO2排出量算定をExcelで行うメリット
①入力・操作方法が分かりやすい
Excel算定は一度関数を組み、レイアウトを整えることができれば、後はデータを入力をすることで排出量の算定が可能です。馴染みのあるツールであるため、新しいシステムを使用するよりも比較的容易に操作を行うことが可能です。
②無料で算定可能
ExcelがPCにダウンロードされている限り、無料で算定が可能です。
Excel算定シートを購入する場合は、既に算定に必要な関数、表、グラフなどが整えられており、購入者はフォーマットに数値の入力のみ行う場合がほとんどです。
また、購入者は次年度以降もそのシートを用いて自分で算定することが可能です。
つまり、Excel算定シートを購入する場合は、初期費用のみで継続して算定することができます。
③追加費用がかからない
算定を進める中で、エクセルの関数やシートの追加、フォーマットの変更等、新たな仕様にする場合も追加料金はかかりません。費用をかけず、自社にとって見やすく、分かりやすい形式に変更していくことが可能です。
CO2排出量算定をExcelでデメリット
①データの手入力に手間がかかる
Excelを使用する場合、データは手入力をする必要があり、システム算定に比べて時間を要します。データは参照データにすることで入力ミスを低減することができます。
また、初期設定として関数等を組む必要があります。Excel算定シートを購入する場合や、無料シートをダウンロードする場合は、必要な関数等は組まれているため、作業はデータ入力のみとなります。
②オンラインで同期しなければ共同編集ができない
Excelファイルがローカルサーバーに保存されている場合、自社でアップロードできるシステムを有していない限り、担当者と事業部は共同編集をすることができません。
そのため、拠点数の多い企業や事業部がデータ入力を行う企業において問題となってしまいます。
しかし、Boxなどのファイル共有ツールなどを使用することで共同編集が可能となります。
③複数条件の組み合わせには手間がかかる
算定や進捗管理を行う中で、複数の条件(年度別・拠点別・燃料別など)を組み合わせた上での可視化をする場合、追加で関数等を組む必要があります。
例えば、「2019年度〜2021年度のみのガソリンだけの排出量を比較したい」といった場合に関数を組む必要があります。
Excel算定とシステム算定の比較表
\ 温室効果ガス排出量算定の具体的プロセスを知る!/
温室効果ガス排出量の「算定」について、一通り理解できるホワイトペーパーです。
「どんなデータ/計算式」を用い、「どんなプロセス」で算定するのかを理解できます。
参考文献
[1] boost technologies「CO2排出量管理システムの比較ポイントとは?」
[2]アスピック 「CO2排出量管理システム12選。自動計算で脱炭素化を効率的に」
リクロマの支援について
弊社はISSB(TCFD)開示、Scope1,2,3算定・削減、CDP回答、CFP算定、研修事業等を行っています。
お客様に合わせた柔軟性の高いご支援形態で、直近2年間の総合満足度は94%以上となっております。
貴社ロードマップ作成からスポット対応まで、次年度内製化へ向けたサービス設計を駆使し、幅広くご提案差し上げております。
課題に合わせた情報提供、サービス内容のご説明やお見積り依頼も随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
⇒お問合せフォーム
メールマガジン登録
担当者様が押さえるべき最新動向が分かるニュース記事や、
深く理解しておきたいトピックを解説するコラム記事を定期的にお届けします。