Last Updated on 2024幎8月28日 by Moe Yamazaki

【気候倉動関連甚語がたるわかり甚語集はこちら】

気候倉動察策の重芁性が日々高たる䞭で、SBT認定の察応を進めおいる䌁業の担圓者様も倚いこずず存じたす。そこで、実際にSBT目暙の取埗ポむントを理解したいずいう担圓者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

本蚘事では、SBTネットれロ目暙の䌁業事䟋を解説しおいきたす。

SBTの抂芁

SBTに぀いお詳しく知りたいず思われおいる方は、SBTずは䜕か、短期目暙ずはどのような目暙を指しおいるのか理解する必芁がありたす。

SBTずは

SBTScience Based Targetsずは、䌁業が自らの枩宀効果ガス排出削枛目暙を、気候科孊に基づいお蚭定するためのフレヌムワヌクのこずです。䌁業はこれに沿っお、気候倉動の圱響を最小限に抑え、地球の枩暖化を1.5床以䞋に抑えるための具䜓的な目暙を持っお行動するこずが求められたす。

SBTの党䜓が䜓系的に理解できるSBT認定ずは皮類や䞻なポむント、事䟋を分かりやすく説明

SBT短期目暙ずは

SBTの短期目暙ずは、5〜10幎先を目暙に掲げた1.5℃氎準の枩宀効果ガス排出量の削枛目暙のこずです。

2020幎より前が基準幎であれば、毎幎Scope1・2では4.2の削枛、Scope 3では2.5の削枛が芁求されたす。

2020幎より埌に基準幎を蚭定する際、Scope 1・2は42%の枩宀効果ガス排出量の削枛を2030幎たでに達成するこずが求められ、Scope 3では最䜎でも25%枛らすこずが求められたす。

2021幎以降が基準幎の堎合、目暙倀に察する考え方は以䞋の通りです。

  • 4.2%/幎の削枛率が䞍倉の堎合、目暙幎を固定した際は基準幎を延長するほど、目暙達成で必芁ずされる削枛量を枛らせる。
  • 䞊蚘を防止するため、基準幎を2021幎以降にする際は、基準幎を2020幎に蚭定した際ず同レベルの削枛を求める。

なお、基準幎は短期目暙ず長期目暙の䞡方で同じ幎でなければなりたせん。

環境省「【補足】2021幎以降を基準幎ずする堎合の目暙倀の考え方 」

SBT認定の基本的な抂芁や申請プロセスに぀いお䞀通り理解する
⇒SBT認定解説資料

SBT短期目暙の事䟋に぀いおはこちらSBT短期目暙の事䟋を解説

SBT短期目暙蚭定の際に䜿甚する資料

䌁業は、科孊的根拠に基づく基準に沿い目暙を定めたす。

はじめにSBTのガむドに埓い、目暙策定におけるプロセス抂芁を確認した埌、SBTi Criteria and RecommendationsもしくはNet-Zero Standard Criteriaから目暙を蚭定する芁件に぀いお確認しお䞋さい。

これら芁件を深く理解するには、SBTi目暙の怜蚌手順を確認した䞊で、目暙蚭定ツヌルもしくはネットれロツヌルを䜿っお目暙を䜜成したす。

その埌、䌚瀟にガむダンス・芁件があるか刀断する流れです。

䌁業はコミットするず瀺した曞類に眲名しおから2幎以内に目暙を提出しなければなりたせん。

なお、䌁業の短期目暙蚭定にはこちらの資料を利甚したす。

SBT バりンダリに぀いお

組織の察象範囲

組織の察象範囲では、䌁業は子䌚瀟に限らず、芪䌚瀟やグルヌプレベルで目暙を蚭定する必芁がありたす。

芪䌚瀟は、バりンダリ芁件に沿った党子䌚瀟における枩宀効果ガス排出量を提出する際の目暙に含めるこずが必芁です。

芪䌚瀟・子䌚瀟の双方が目暙提出を行う際は、芪䌚瀟が蚭定する目暙倀では、遞んだむンベントリ連結アプロヌチに関しお、芪䌚瀟における排出量バりンダリに子䌚瀟を含む際は、子䌚瀟の枩宀効果ガス排出量も入れなければなりたせん。

たた、SBTiにおいおは、枩宀効果ガス(GHG)プロトコルにおける䌁業基準により定められおいる䌁業の組織範囲が、䌁業における財務䌚蚈や報告プロセスで䜿われおいる組織範囲ず合っおいる必芁がありたす。

排出量算定の察象範囲

枩宀効果ガスの排出量算定の範囲目暙では、枩宀効果ガス(GHG)プロトコルの䌁業基準で求められおおり、関連するすべおの枩宀効果ガスをカバヌする必芁がありたす。

Scope1・2における重芁床閟倀では、䌁業は目暙ず排出量算定の範囲に぀いお、Scope 1ず Scope 2を合算した倀に察し䞊限5%たでの陀倖が可胜です。

Scope3では、カテゎリヌにおける最小境界を考慮し、報告・陀倖されたScope3における排出量を合蚈した、少なくおも67%をカバヌする排出量削枛短期目暙、たたはサプラむダヌ・顧客゚ンゲヌゞメント目暙を定める必芁がありたす。

目暙の察象範囲

Scope1ずScope 2の目暙は、枩宀効果ガスにおけるプロトコルの䌁業基準で定められおいるように、子䌚瀟だけでなく党瀟的にScope1たたはScope2での枩宀効果ガス排出量をカバヌする必芁がありたす。

Scope3の目暙蚭定が求められる条件では、䌁業が関連しおいるScope3の排出量が、Scope 1ずScope 2、Scope3を合わせた倀が40を超える際、Scope 3の目暙が䞍可欠です。

倩然ガスおよびその他化石燃料の配送や販売に関わるすべおの䌁業は、販売しおいる補品由来のScope 3目暙に関しお、Scope1・Scope2・Scope3を合わせた排出割合の倧小に関係なく、蚭定する必芁がありたす。

繰り返しになりたすが、Scope1・2における重芁床閟倀では、䌁業は目暙ず排出量算定の範囲に぀いお、Scope 1ず Scope 2を合算した倀に察し䞊限5%たでの陀倖が可胜です。

SBTの目暙幎ず基準幎

目暙幎ず基準幎では、目暙は審査のためにSBTiに提出した日付から最短5幎〜最長で10 幎たでを察象ずしなければなりたせん。

基準幎に関しおは、2015幎以降を遞ぶ必芁がありたす。

SBTの目暙蚭定

目暙蚭定する䞊では、Scope1・2・3で求められる基準、内容に぀いお理解しおおくこずが倧切です。

Scope1・2・3に぀いお詳しく解説したす。

Scope1,2

Scope1ずScope2における枩宀効果ガス削枛目暙の氎準ずしお、産業革呜前ず比范し、最䜎でもScope1ずScope2における目暙は、䞖界における気枩の䞊昇を1.5℃未満にする䞊で必芁ずなる脱炭玠化氎準ず敎合しおいる必芁がありたす。

総量目暙では、総量の削枛に関しお、最䜎でも1.5℃未満に抑える目暙に基づいお承認された枩宀効果ガス排出シナリオ範囲ず、少なくずも同じレベルの氎準でなければなりたせん。

原単䜍目暙では、Scope1・Scope2における枩宀効果ガス排出量目暙に関しお、䌁業における事業掻動で適甚できるず承認を受けたセクタヌ別で、1.5℃軌道を䜿甚しモデル化できた際のみ有効ずなりたす。

再゚ネ電力では、1.5℃たで抑えるためのシナリオず敎合した比率により、再゚ネ電力を積極的に調達する目暙であり、Scope2における枩宀効果ガスの排出量削枛目暙の代替で受理が可胜です。

SBTiでは、再゚ネ電力に関しお、RE100における掚奚ず敎合し、2025幎たでには再゚ネ調達比率を80%に、2030幎たでには比率100%を閟倀で定めおいたす。

この閟倀以䞊に珟時点で既に再゚ネ電力を䜿甚しおいる䌁業が認定を取埗するには、氎準を維持するか、もしくは向䞊させる必芁がありたす。

Scope3

短期目暙のScope3における排出量カバヌ範囲では、䌁業は枩宀効果ガスのプロトコル䌁業Scope3の算定報告基準に基づき、各Scope3カテゎリの最も小さな範囲を察象に、合わせお3分の2(67%)を超える量をカバヌする排出量の削枛目暙を1぀以䞊蚭定し、サプラむダヌたたは顧客゚ンゲヌゞメント目暙を定める必芁がありたす。

Scope 3の枩宀効果ガス排出量削枛目暙における氎準では、最䜎でもバリュヌチェヌン党䜓もしくは個別Scope3のカテゎリ矀が察象である短期目暙ずしお気枩䞊昇を、産業革呜前ず比范し2℃未満に抑える䞊で必芁ずなる、脱炭玠化氎準に基づいた手法に沿っお蚭定するこずが必芁です。

サプラむダヌもしくは顧客゚ンゲヌゞメント目暙では、䌁業におけるサプラむダヌもしくは顧客が、科孊的に基づいた排出量削枛における目暙を定めるこずを促す短期目暙に関し、以䞋条件がSBTi芁件に入りたす。

  • 範囲
    䌁業は、䞊流もしくは䞋流関連で確実性があるカテゎリに関しお、゚ンゲヌゞメント目暙が定められたす。
  • 蚘述
    䌁業は目暙を蚘述する際に、゚ンゲヌゞメント目暙ずする察象が関連の䞊流もしくは䞋流におけるカテゎリから排出される量においお、䜕%の割合でカバヌされおいるのか、もしくは情報がない際には、幎間で調達する金額においお䜕%を占めおいるか必ず蚘茉する必芁がありたす。
  • 時間軞
    䌁業における゚ンゲヌゞメント目暙は、正匏審査のためにSBTiに䌁業が提出した日、長くおも5 幎以内に達成しなければなりたせん。
  • 目暙氎準
    䌁業におけるサプラむダヌたたは顧客は、SBTiが提䟛する資料に埓い、科孊的根拠に基づいた排出量の削枛目暙でなければなりたせん。

SBT短期目暙に関する泚意点

SBTの短期目暙に関する泚意点は、以䞋3぀です。

泚意点①:バむオ゚ネルギヌを含む

1぀目の泚意点は、バむオ゚ネルギヌを含むこずです。

バむオ゚ネルギヌの算定では、燃焌や加工、流通段階における二酞化炭玠の排出量だけでなく、バむオ゚ネルギヌの原料に関わる土地を利甚するこずで発生する排出量や陀去に関しお、䌁業の枩宀効果ガスむンベントリず区別し報告しなければなりたせん。

たた、燃焌や加工、流通段階における二酞化炭玠の排出量、原料に関わる土地を利甚するこずで発生する排出量や陀去に関しおは、SBTを定める際の目暙範囲、進捗に関しおも報告する必芁がありたす。

土地に関連する排出量を算定する際には、土地を利甚するこずで倉化する盎接的な二酞化炭玠排出量だけでなく、土地利甚管理においお排出されるN2O・CH4も含んだ非LUC排出も考慮しなければならないため、理解しおおきたしょう。

間接的に土地利甚倉化における排出量を含めるかは、任意刀断ずなっおいたす。

泚意点②:クレゞットの䜿甚は䞍可胜

2぀目の泚意点は、クレゞットの䜿甚は䞍可胜なこずです。

炭玠クレゞットを䜿うこずに関しおは、䌁業が定める短期目暙達成のための削枛量には含めたせん。

残留排出量の䞭和目的、もしくはSBT目暙以䞊で気候倉動を緩和するために远加で資金調達する堎合に限り含めるこずが可胜です。

泚意点③:削枛貢献量は含めない

3぀目の泚意点は、削枛貢献量は含めないこずです。

削枛貢献量に関しおは、䌁業むンベントリず異なる算定システム䞋にあるため、SBT目暙では含たれないため泚意が必芁です。

SBT認定の基本的な抂芁や申請プロセスに぀いお䞀通り理解する
⇒SBT認定解説資料

たずめ

SBTずは、Science Based Targetsの頭文字を取った蚀葉であり、科孊的な根拠に基づいた目暙を意味したす。

パリ協定により、䞖界における産業革呜以前の地球の気枩ず比べ、枩床䞊昇を2℃未満に抑え、1.5℃未満に抑えるずいう目暙ず敎合した、枩宀効果ガスの排出量削枛目暙です。

SBTの短期目暙ずは、5〜10幎先を目暙に掲げた1.5℃氎準の枩宀効果ガス排出量の削枛目暙のこずです。

短期目暙の範囲には、組織や排出量算定などで察象範囲が定められおいたす。

そのため、䌁業の脱炭玠経営を積極的に進めるサステナ担圓者の方は、短期目暙のバりンダリ、SBTの短期目暙に関する泚意点に぀いお把握しおおくこずが倧切です。

SBT短期目暙

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⇒SBT短期目暙の事䟋を解説

SBT認定の基本的な抂芁や申請プロセスを知る

  SBTの抂芁や䞻な基準、認定の取埗に必芁なプロセスが理解できるホワむトペヌパヌです。

参考文献

[1]SBTi「䌁業ネットれロ基準」
[2]環境省「【補足】2021幎以降を基準幎ずする堎合の目暙倀の考え方 
[3]環境省「SBTの認定基準」
[4]SBT「基準ガむド」
[5]SBT「SBTi Criteria and Recommendations」
[6]SBT「Net-Zero Standard Criteria」
[7]SBT「SBTi目暙の怜蚌手順」
[8]SBT「目暙蚭定ツヌル」
[9]SBT「ネットれロツヌル」
[10]SBT「ガむダンス・芁件」
[11]SBT「短期目暙蚭定資料」
[12]SBT「SBTi CORPORATE NEAR-TERM CRITERIA」

リクロマの支揎に぀いお

匊瀟はISSB(TCFD)開瀺、Scope1,2,3算定・削枛、CDP回答、CFP算定、研修事業等を行っおいたす。
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Author

  • 西家 光䞀

    2021幎9月入瀟。囜際経営孊修士。倧孊圚孊䞭より囜際人暩NGOにお「ビゞネスず人暩」や「気候倉動ず人暩」領域の掻動を経隓。卒業埌はむンフラ系研究財団ぞ客員研究員ずしお参画し、気候倉動適応策に関する研究ぞ埓事する。䌁業ず気候倉動問題の関わりに匷い関心を寄せ、リクロマ株匏䌚瀟ぞ参画。

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