Last Updated on 2026年1月8日 by Sayaka Kudo
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近年、ESGは企業評価の重要な指標となり、投資家やステークホルダーの関心が高まっています。しかし、評価をする機関は複数あり、基準も様々です。
本コラムでは、ESG評価機関の種類と算定基準について解説します。
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ESG評価機関とは
ESG評価機関は、企業の環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)に関連するパフォーマンスを評価し、格付けを提供する専門機関です。
これらの機関は、投資家やその他の利害関係者が企業のESGリスクと機会を理解し、それに基づいて意思決定を行うための重要な情報源となります。
企業と評価機関の関係図

ESG評価機関の目的
ESG評価機関の主な目的は、企業の環境、社会、ガバナンスに関する取り組みを評価し、その結果を投資家や利害関係者に提供することです。これにより、投資家は企業の持続可能性に関するリスクと機会をより正確に把握し、より良い投資判断を行うことができます。
具体的には、ESG評価機関は以下のような内容を評価します。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 環境(E)評価 | 企業の環境への影響や環境保護への取り組みを評価。温室効果ガス排出量、エネルギー効率、水資源管理、生物多様性保護などが含まれる |
| 社会(S)評価 | 企業の社会的責任、労働慣行、コミュニティへの影響を評価。労働条件、社員の健康・安全、地域社会への貢献、人権尊重などが含まれる |
| ガバナンス(G)評価 | 企業経営の透明性や統治体制を評価。取締役会の構成、内部統制、経営の独立性、取締役会の多様性、腐敗防止、企業倫理などが含まれる |
ESG情報の特徴
ESG情報は、企業の財務情報とは異なり、数値化が難しい非財務情報です。このため、企業が投資家などのステークホルダーに向けてESG情報を開示する際の基準や媒体は統一されていません。これを踏まえ、ESG評価機関は、独自に構築したスコアリングモデルに基づいて企業のESG情報を集計・分析し、その結果をESGスコアとして提供します。ESG評価機関のスコアリングモデルは、各機関の専門知識と評価基準に基づいて構築されています。したがって、各機関の評価方法やスコアは異なることがありますが、共通して以下のプロセスが採用されます。
| プロセス | 内容 | 補足説明 |
|---|---|---|
| データ収集 | 企業の公開情報、第三者機関のデータベース、企業へのアンケート調査などを通じて必要なデータを収集 | 統合報告書、サステナビリティレポート、有価証券報告書などが主な情報源 |
| データ分析 | 収集したデータを基に、各企業のESGパフォーマンスを評価 | 定量的指標(温室効果ガス排出量、労災件数など)と定性的評価(方針、体制、取り組み状況)を組み合わせて分析 |
| スコアリング | 分析結果を基に各企業のESGスコアを算出 | ESGスコアは企業の持続可能性を総合的に示す指標として、投資判断や比較分析に活用される |
参考文献:RICOH「ESGレーティングとは?評価項目や活用事例をわかりやすく解説」
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ESG評価機関の種類
ESG評価機関には、さまざまな種類があります。それぞれの機関が独自の評価基準とスコアリングモデルを持ち、異なる側面から企業のESGパフォーマンスを評価しています。
代表的なESG評価機関は、以下の通りです。
| ESG評価機関 | 概要 | 評価の特徴・強み |
|---|---|---|
| S&P Global | 世界的に著名な金融情報サービス企業で、ESG評価分野でも高い評価を受けている | 企業の環境・社会・ガバナンスを総合的に評価。公開情報や第三者データを基に信頼性の高いESGスコアを提供 |
| Bloomberg | 金融情報・ニュースを提供する企業で、ESGデータサービスにも注力 | 企業のESGデータを詳細に収集・分析し、投資家が比較・分析しやすい情報を提供 |
| Arabesque | データ分析とテクノロジーを活用したESG評価を行う企業 | 独自アルゴリズムや機械学習により高精度なESG評価を実施 |
| 格付投資情報センター(R&I) | 日本を代表する格付・ESG評価機関 | 日本企業のESG評価に強み。環境・社会・ガバナンスを総合的に分析 |
| MSCI ESG Research | ESGに関するリサーチと格付を提供する大手評価機関 | 企業の長期的なESGリスクと機会を評価し、グローバルで広く利用されるESG格付を提供 |
| Sustainalytics | ESGリスク分析に特化した評価機関 | 企業のESGリスクとその管理能力を評価し、投資判断に役立つレポートを提供 |
| FTSE Russell | ESG指数の提供を行う金融サービス企業 | ESG指数を通じて、企業の持続可能性評価の基準を提供 |
| ISS ESG | ガバナンス評価や議決権助言を行う評価機関 | 企業のガバナンス構造や環境・社会リスクを分析し、投資家の判断を支援 |
| RobecoSAM | ESGに特化した調査・格付を行う評価機関 | 企業の持続可能性を総合的に評価し、ESGパフォーマンスを明確化 |
参考文献:日本取引所グループ「ESG評価機関等の紹介」
ESG算定基準
ESG評価には、総合型(包括型)とテーマ型の2つの主要なアプローチがあります。これらのアプローチは、企業のESGパフォーマンスを異なる視点から評価します。
| 評価タイプ | 概要 | 特徴・利点 | 主な活用場面 |
|---|---|---|---|
| 総合型(包括型) | 環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)のすべての要素を総合的に評価 | 特定テーマに偏らず、企業全体のESGパフォーマンスや持続可能性を把握できる | 長期投資判断、企業全体のESGレベル比較、ポートフォリオ分析 |
| テーマ型 | 気候変動や人権など、特定のESG課題に焦点を当てて評価 | 特定分野における企業の取り組みやパフォーマンスを詳細に評価できる | 特定テーマ重視のESG投資、課題別リスク・機会分析 |
参考文献:Sustainable Biz「【ESGスコアとは?】評価機関5社、認証・算出基準を事例で解説」
まとめ
企業の脱炭素経営を担当するサステナビリティ担当者にとって、ESG評価機関についての理解は極めて重要です。ESG評価機関は、企業の環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)のパフォーマンスを評価し、投資家に対して企業のリスクと機会を示しています。ESG評価機関の理解は、企業の持続可能な成長を支援し、より良い投資判断を促すために不可欠ですので、企業の脱炭素経営を担当するサステナビリティ担当者はしっかりと理解しておきましょう。
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参考文献
[1]RICOH(2023)「ESGレーティングとは?評価項目や活用事例をわかりやすく解説」(閲覧日:2026年1月8日)
[2]JPX(n.d.)「ESG評価機関等の紹介」(閲覧日:2026年1月8日)
[3]Sustainable Biz(2024)「【ESGスコアとは?】評価機関5社、認証・算出基準を事例で解説」(閲覧日:2026年1月8日)
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