Last Updated on 2024年7月8日 by Yuma Yasui

気候変動対策において、カーボンフットプリント(CFP)算定を進める企業が増加しています。

カーボンフットプリント(CFP)とは、製品やサービスが生産から廃棄に至るまでの全ライフサイクルにわたって排出する温室効果ガスの総量を示す指標です。

本記事では、CFPの概要、CFP算定の目的、実際のCFP算定事例を解説します。

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カーボンフットプリント(CFP)とは

カーボンフットプリント(CFP)とは、製品やサービスが生産から廃棄に至るまでの全ライフサイクルにわたって排出する温室効果ガスの総量を示す指標です。

原材料の調達、製造、使用、輸送、廃棄・リサイクルの各段階で発生する温室効果ガスを対象とします。

団体や企業が温室効果ガス排出量を把握できることに加え、消費者にも商品・サービスを選定する判断基準として示すことができることから、注目を集めています。

カーボンフットプリント(CFP)を算定する目的

カーボンフットプリント(CFP)を算定する目的は、消費者および事業者間にて、二酸化炭素の排出量を削減する目的の取り組みを両者で共有し、数値により可視化させた情報を使うことで、二酸化炭素排出量を削減することです。

近年では、年々深刻化している気候変動問題に対する関⼼が⾼まっていることもあり、企業を取り巻いているさまざまなステークホルダーが、それぞれの⽬的により、企業にカーボンフットプリントの算定を要請しています。

そのため、カーボンフットプリントは企業間における競争⼒を左右する要素であるとも言えます。

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カーボンフットプリント(CFP)算定事例

カーボンフットプリント(CFP)算定事例を4つ紹介します。

旭化成

旭化成では、NTTデータと共同し、カーボンフットプリント算出の基盤構築をしています。
対象とするのは、電子部品や自動車などの材料として使用されている機能樹脂製品です。
自動車部品メーカーなどに対し、2022年5月からカーボンフットプリントデータの提供に取り組んでいます。

参考文献:旭化成「機能樹脂製品における製品別カーボンフットプリントデータの提供開始

パナソニック

参考文献:パナソニック「Carbon Pay地球とつながる自分になるこれからの新習慣

パナソニックでは、デザインスタジオである「FUTURE LIFE FACTORY」から、「Carbon Pay構想」が発表されています。
「Carbon Pay構想」とは、パナソニック製品を利用する個人が排出したCO2排出量を把握することができるシステムです。
個人のCO2排出量が数値化され、把握することができることで、CO2を削減するプロジェクトを支援し、個人としてのカーボンニュートラルを実現できる仕組みを提案するものです。

専用アプリの「Carbon Payアプリ」も制作されており、年間で見たカーボンフットプリントを把握でき、2030年・2040年の目標値も確認できます。

数値化されることによって、個人がどのような行動をとればいいのか、ヒントを得ることが可能であり、その量に応じた金額で、CO2吸収の取り組みがサポートできる仕組みです。

明治グループ

食品メーカーである株式会社明治は、日本国内で初となる牛乳生産に関連するカーボンフットプリントの算定を行いました。
自社が提供している商品「明治オーガニック牛乳」に関して、酪農家の協力のもと、経営に関係する実データを収集したところ、原材料購入および輸送に関連する「上流」工程の温室効果ガス排出量割合が、全体の91%に及んでいることが分かりました。

参考文献:明治グループ「サステナブルな酪農の実現に貢献する取り組み①

この結果から、できるだけサステナブルな酪農経営に向け、サプライチェーン全体における温室効果ガスの排出量削減に向け取り組みが進められています。

リコー株式会社

リコー株式会社は、エコリーフの基準に沿い、各製品にライフサイクル全体におけるカーボンフットプリントを算定し、情報を開示しています。

エコリーフは環境ラベルの1つであり、環境ラベルは環境に関わる情報を、製品・サービスにおけるパッケージ、およびウェブを含んだ広告媒体等を通じて、消費者に対し分かりやすく伝えられるマークや認証のことです。

参考文献:リコー株式会社「製品のCFP(カーボンフットプリント)情報

世界中で環境ラベルが使われており、消費者が環境に対して配慮している製品を購入する上で指針となるラベルです。

まとめ

カーボンフットプリント(CFP)とは、製品やサービスが生産から廃棄に至るまでの全ライフサイクルにわたって排出する温室効果ガスの総量を示す指標です。

原材料の調達、製造、使用、輸送、廃棄・リサイクルの各段階で発生する温室効果ガスを対象とします。

日本国内では、旭化成やパナソニック、明治グループといった大手企業がカーボンフットプリント(CFP)算定に取り組んでいます。
そのため、企業の脱炭素経営を積極的に進めるサステナ担当者の方は、このような時代の流れに乗り遅れないように、カーボンフットプリントの概要や算定目的、実際の事例について理解しておくことが大切です。

#CFP#カーボンフットプリント

参考文献

[1]旭化成「機能樹脂製品における製品別カーボンフットプリントデータの提供開始
[2]パナソニック「Carbon Pay地球とつながる自分になるこれからの新習慣
[3]明治グループ「サステナブルな酪農の実現に貢献する取り組み①
[4]リコー株式会社「製品のCFP(カーボンフットプリント)情報

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Author

  • 西家 光一

    2021年9月入社。国際経営学修士。大学在学中より国際人権NGOにて「ビジネスと人権」や「気候変動と人権」領域の活動を経験。卒業後はインフラ系研究財団へ客員研究員として参画し、気候変動適応策に関する研究へ従事する。企業と気候変動問題の関わりに強い関心を寄せ、リクロマ株式会社へ参画。

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