Last Updated on 2024年11月21日 by AmakoNatsuto
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カーボンフットプリント(CFP)の全体像を理解したい方はこちら!
⇒CFP(カーボンフットプリント)とは?全体像を解説
CFPとは
CFP(カーボンフットプリント)は、製品やサービスが生産から廃棄に至るまでの全ライフサイクルにわたって排出するGHG(温室効果ガス)の総量を示す指標です。これは、原材料の調達、製造、使用、輸送、廃棄・リサイクルの各段階で発生する温室効果ガスのことを指します。
CFPとLCAの違い
CFPとLCA(ライフサイクルアセスメント)はどちらも、製品やサービスの環境影響を評価対象となる環境影響の範囲に重要な違いがあります。LCAは、製品やサービスの「誕生」から「廃棄」までの全生命周期にわたる環境影響を包括的に評価する手法です。これには、温室効果ガスの排出量だけでなく、資源枯渇、オゾン層破壊、騒音など、さまざまな環境負荷が含まれます。
一方で、CFPは主に温室効果ガスの排出量に特化しており、製品やサービスのライフサイクル全体で発生する温室効果ガスを評価します。CFPはLCAの一部と考えることができますが、その焦点は温室効果ガス排出量に限定されています。CFPは、特定の製品やサービスの炭素足跡を具体的に把握し、その削減に向けた取り組みをサポートすることを目的としています。
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⇒LCAとは?実践的な算定ステップから活用事例まで紹介
CFPの活用方法
CFPは、製品やサービスがその生涯にわたり排出するGHGの量を示す指標であり、気候変動対応に重要な役割を果たします。例えば、消費者はCFPマークやエコリーフマークが付された商品を選ぶことで、地球温暖化の原因となるCO2排出を削減する製品を選ぶことができます。
また、企業はCFPを活用して、製品の設計、製造、流通、使用、廃棄の各段階におけるGHG排出量を明確することで排出量の多い工程を特定し、重点的に改善することで、全体の環境負荷を低減することが可能です。
加えて、CFPはビジネスのサステナビリティを強化し、企業のCSRの取り組みを支援するためのツールとしても利用されます。企業はCFPの結果を公開することで、消費者や投資家に対して環境に対する取り組みをアピールすることができます。
このように、CFPは製品やサービスの環境影響を削減し、企業のブランド価値やサステナビリティ意識を向上させるための有効な手段となっています。
CFPの算定方法
CFP算定はまず初めに、目的(Why)、対象製品・ライフサイクルステージ(What)、参照規格・基本方針(How)を決定します。その上で、以下に示す3つのプロセスで開示していくこととなります。
STEP① 算定対象製品のライフサイクルをプロセスに分解する
CFPの算定では、製品のライフサイクルを構成する各プロセスに分解することが最初のステップです。この分解により、製品の原材料調達、生産、輸送の各段階におけるGHG排出源を特定します。例えば、原材料段階では、材料の採掘や加工による排出量を評価し、生産工程では工場でのエネルギー消費や製造過程での排出を評価します。輸送工程では、製品が工場から市場へ運ばれる際の車両や船舶の燃料消費を評価します。
これらのプロセスを詳細に分析することで、製品のライフサイクル全体の環境影響を正確に算定することが可能になります。
STEP② 各プロセスのGHG排出量(活動量×排出係数)を算定する
各プロセスのGHG排出量を算定する際には、そのプロセスにおける「活動量」と「排出係数」を用いて計算を行います。活動量は、そのプロセスで消費されるエネルギー量や生産量などを指し、排出係数は特定の活動によって発生するGHGの量を示します。たとえば、製造工程におけるエネルギー消費量に基づき、そのエネルギー源(石炭、天然ガスなど)に関連する排出係数を適用してGHG排出量を算出します。この計算により、各プロセスにおける具体的なGHG排出量を定量化でき、製品の環境影響をより正確に評価することができます。
STEP③ 算定結果の開示
CFP算定報告書は、CFP算定結果とその信頼性を担保するための項目を含む必要があります。この項目には、算定の対象範囲や使用したデータソース、カットオフ基準や算定の期間などがあげられますが、必要に応じて報告項目を選択した上での開示が求められます。
また、規定された項目に加えて削減目標など、将来の方向性を記載することにより、CFP算定に対する企業の姿勢を伝えることが望ましいとされています。
上記3ステップ以外に、算定手順書を社内の情報共有用として作成し、担当者が変わっても同じ算定方法を再現できるようにすることも重要です。これは、第三者検証を依頼する際や将来的な再算定にも利用できます。
CFP算定事例
事例① アシックス
アシックスはCFP数値を、CFP算定報告書と自社のホームページに掲載しています。
事例② 東京吉岡
東京吉岡では、使用済みのポリエチレン袋を回収・リサイクルし、新しいポリエチレン袋を生産する仕組みを構築しました。この新商品「循環型リサイクルポリエチレン袋」と既存品の CFP の違いを訴求要素として HP上に表示したり、顧客への営業資料として配布しています。
まとめ
この記事では、CFPの概要と算定方法、そして活用事例について紹介しました。
ブランディングやマーケティングに活用できるだけでなく、GHGの効率的な削減にも役立つCFPは今後算定ニーズが増していくことが想定されるため、今後の動向も注視していく必要があるでしょう。
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