Last Updated on 2025幎1月1日 by Moe Yamazaki

SBTなどの基準に沿っおネットれロを掲げる䌁業は䞖界的に増えおいたすが、実態が䌎っおいないこずから“グリヌンりォッシュ”ずしお批刀の的になる䌁業も倚く存圚したす。

実際ガヌディアンは、ネットれロを暙抜しおいる石油/ガス䌚瀟がパリ協定の基準ず乖離した開発を蚈画しおいるこずを指摘しおいたす [1]。

こんな䞭で、自瀟の察応及び開瀺がグリヌンりォッシュに該圓するのか吊か思い悩んでいる担圓者様も倚いのではないでしょうか。この蚘事では、グリヌンりォッシュにならない“真のネットれロ”ぞの察応のポむントを玹介したす。その䞭で、2022幎11月のCOP27期間䞭に公衚された囜連の提蚀の内容を参照したす。

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グリヌンりォッシュの定矩

グリヌンりォッシュグリヌンりォッシングずは、䌁業むメヌゞの向䞊のために実態ずは乖離した環境配慮を芋せかける行為のこずを指したす。「ホワむトりォッシュりォッシング」ずいう、癜く塗っお芆うこずを連想させるこずから「ごたかし・取り繕い」を意味する蚀葉ず、環境を意味する「グリヌン」ずを組み合わせた造語です。

ケンブリッゞ英語蟞兞は、グリヌンりォッシュを「䌁業が実際以䞊に環境保護に取り組んでいるず人々に思わせる行動や掻動」ず定矩しおいたす。

“真のネットれロ”に向けた囜連の提蚀

COP27開催期間䞭の2022幎11月7日、囜連の専門家委員䌚は、䌁業・銀行・自治䜓によるグリヌンりォッシュを阻止しネットれロをより実質的なものにする狙いで新たな基準を提瀺したレポヌトを発衚したした [2]。

囜連の専門家委員䌚ずは

囜連の専門家委員䌚は、非囜家䞻䜓のネットれロ・コミットメントに関するハむレベル専門家グルヌプず呌ばれおいたす。委員䌚は、2022幎3月31日に発足し、囜連総長が任呜した17人の専門家で構成されおいたす。専門家らは、䌁業や投資家、郜垂や地域などの非囜家䞻䜓から構成されおいたす。参加者は、個人の資栌で掻動しおおり、日本からは、日本気候リヌダヌズパヌトナヌシップJCLP共同代衚を務める䞉宅銙さんが参加されおいたす[3]。

぀の原則ず10の実践的な提蚀

囜連が公衚したレポヌトでは、䞋蚘のような提蚀がされおいたす。


United Nations [3] より匊瀟䜜成

グリヌンりォッシュを避け、環境ぞの取り組みを効果的にアピヌルする堎合、䞊図のうち「1. ネットれロに関するコミットメントの発衚」ず「2. ネットれロの目暙蚭定」が最もハヌドルが䜎く取り掛かりやすいず考えおいたす。

「4. 移行蚈画の策定」なども、自瀟の環境及び気候倉動の取り組みを促進し、ステヌクホルダヌずの関係を構築する䞊では将来的に必芁になっおくるこずが想定されたすが、策定にはずお぀もない劎力ず時間がかかりたす。移行蚈画に぀いおは「TCFD開瀺の曎なる“レベルアップ”のために必芁な「移行蚈画」に぀いお解説」をご芧ください。

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グリヌンりォッシュにならないためには

2030幎たでに䞖界の排出量を少なくずも50削枛し、2050幎たでにネットれロを達成しなければならないずいう事実を螏たえ、䌁業は迅速に察応を開始する必芁がありたす。

グリヌンりォッシュにならないようなネットれロぞの察応はどのように進めればよいのでしょうか

“ネットれロの目暙蚭定”でグリヌンりォッシュを回避

圓瀟は、䞊蚘でたずめた「10の実践的な提蚀」のうち、「1. ネットれロに関するコミットメントの発衚」ず「2. ネットれロの目暙蚭定」が最もハヌドルが䜎く、どの䌁業も取り掛かりやすいず考えおいたす。この2点の察応を適切に行えば、グリヌンりォッシュには該圓せずステヌクホルダヌからの信頌も埗られるでしょう。

䞋蚘にお、「ネットれロに向けた目暙蚭定」のために必ず抌さえおおくべきポむントを玹介したす。

ネットれロの定矩

ここでたず、囜連が考えおいるネットれロの定矩を玹介したす。ネットれロずは䞀般的に、スコヌプ1,2,3においおGHGの排出量が正味れロの状態を指したす。SBTiはじめ倚くの機関が定矩を提䟛しおいたすが、囜連のレポヌトでは䞋蚘のように蚘茉されおいたす。

“A non-state actor should be considered and recognised as net zero or to “have achieved its net zero pledge” when:

 ãƒ»its pledge, targets and pathway to net zero are generated using a robust methodology consistent with limiting warming to 1.5°C with no or limited overshoot verified by a third party (for example, SBTi, PCAF, PACTA, TPI, ISO, among others);

 ãƒ»it has achieved its long‑term net zero target with any residual emissions neutralised by permanent greenhouse gas removals according to reports verified by a credible, independent third party based on publicly available data.”

「非囜家䞻䜓は、以䞋の堎合に、ネットれロずみなされ、たた『ネットれロの誓玄を達成した』ず認識されるべきである

・その誓玄、目暙、ネットれロぞの道筋が、第䞉者䟋えば、SBTi、PCAF、PACTA、TPI、ISOなどによっお怜蚌されたオヌバヌシュヌトを䌎わない、あるいは限定的な枩暖化を1.5℃に抑えるこずず敎合する匷固な方法論を甚いお䜜成されおいるこず。

 ãƒ»å…¬é–‹ã•ã‚ŒãŸãƒ‡ãƒŒã‚¿ã«åŸºã¥ãã€ä¿¡é Œã§ãã‚‹ç‹¬ç«‹ã—た第䞉者が怜蚌した報告曞により、枩宀効果ガスの氞久的な陀去によっお残䜙の排出を䞭和し、長期のネットれロ目暙を達成した。」

United Nations (2022) [3]

ネットれロ目暙蚭定のための必須事項

提蚀の内容に基づいお、ネットれロ目暙蚭定のための項目を敎理しチェックリストにずりたずめたしたので、ご参照ください。

䟋えば、衚の最䞊段の項目に関しお、2022幎にコミットメントを発衚した堎合、2025幎を短期削枛目暙幎床ずしお、それから2030幎、2035幎ず5幎間隔の目暙を蚭定したす。なお、5幎ごずに目暙を再蚈算するこずに関しおはSBTでも必須事項ずなっおいたす。SBTに぀いおは「SBT認蚌ずは日本䌁業の動向から認蚌のポむントたで解説」の蚘事を合わせおご芧ください。

ネットれロ目暙蚭定のための必須事項

United Nations [3] より匊瀟䜜成

グリヌンりォッシュを回避する芖点「公正な移行」ずは

グリヌンりォッシュにならないために「公正な移行」の芖点も必芁ずされおいたす。「公正な移行」ずは、人皮、ゞェンダヌ、䞖代間の公平性、そしお自瀟の取り組みがもたらすより広い瀟䌚的圱響や結果を考慮・察凊しおネットれロぞの取り組みが行われるこずです。

取り組み䟋
・䌁業が劎働者、組合、地域瀟䌚、サプラむダヌず連携しお、公正な移行蚈画を策定する
・先䜏民の暩利に関する囜連宣蚀UNDRIP、特に「自由意志に基づき、事前に十分な情報を䞎えられた䞊での合意」ずいう原則を、自瀟の蚈画がどのように統合しおいるかを開瀺する

䌁業が今からできるこず

ネットれロぞの取り組みの芋盎し

以䞊のチェックリストに照らしお、目暙の蚭定方法、進捗状況の報告方法などに焊点を圓お、グリヌンりォッシュではない“真のネットれロ”ぞの取組みの怜蚎を進めるこずを掚奚いたしたす。

䞭小䌁業や零现䌁業ぞの支揎

「公正な移行」のためにもサプラむダヌずの連携が非垞に重芁です。たた、スコヌプの排出量ぞの察凊ずしおサプラむチェヌン党䜓でネットれロを実珟するために、䞭小䌁業や零现䌁業の脱炭玠化の取り組みを支揎するこずができたす。䟋えば、必芁な資金や技術を提䟛するなどが考えられたす。

たずめ

この蚘事では、グリヌンりォッシュにならないネットれロぞの察応に぀いお玹介したした。サステナビリティ察応の取り組みぞの䞀助ずなりたしたら幞いです。

匊瀟では、『TCFD開瀺察応』をはじめ、『SBT目暙蚭定支揎』や『環境ビゞョン策定』、『CSR調達アンケヌト代行』など、䌁業様のネットれロ達成のためのご支揎を行なっおおりたす。䞋蚘のバナヌより、サヌビス資料をダりンロヌドいただくか、お気軜にお問い合わせください。

#囜内動向

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  • 倧孊では気候倉動の経枈孊を専攻し、リクロマ株匏䌚瀟には創業初期よりコンサルタントずしお参画。 情報開瀺支揎を䞭心に枩宀効果ガスの排出の算定や高床なシナリオ分析の業務を担う。

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