Last Updated on 2026年10月26日 by Moe Yamazaki

EcoVadisの総合スコアが同じでも、他の評価対象企業との相対的な位置が変われば、メダルを得られないことがあります。[1] その理由を確かめるには、前回と今回のパーセンタイルを見比べ、事業活動による授与制限や、テーマ別の最低点、360°ウォッチの条件にも目を向ける必要があります。[2]

総合スコアが同じでも相対的順位が変わる

メダルの結果を読み解くには、自社の点数と、評価対象企業全体の中での位置を区別する必要があります。総合スコアがほとんど変わっていなくても、メダルの判定に使われるパーセンタイルは確認しましょう。

パーセンタイルは、評価対象企業の中で自社がどの位置にあるかを示す数値です。比較対象は直近12か月に評価された全業種・全規模・全地域の企業で、毎月更新されます。[1] このため、自社の点数が同じでも、比較対象となる企業全体の点数の分布が変われば、相対的な位置も変わり得ます。

メダルはスコアカード発行時点のパーセンタイルにより決まります。自社のパーセンタイルはスコアカードの上部に表示されています。[2] スコアが変わっていないのにパーセンタイルが前回より下がっていれば、比較対象の企業群の中で順位が下がったことがわかります。回答内容が変わっておらず、スコアも変わっていない場合でも、評価対象企業全体のスコアが上がるとパーセンタイルが下がり、メダルの有無やそのレベルに影響します。

メダルに必要な総合スコアの目安は、英語版ヘルプセンターの「Update on Monthly Medal Thresholds」で毎月公表されています。適用されるのはスコアカードの発行月の値です。[1]

メダルには相対的な位置以外の条件もある

パーセンタイルがメダルの対象範囲に入っていても、ほかの資格条件を満たさず、メダルを得られない場合があります。[2] 総合スコアを確認したあとは、事業活動、テーマ別の点数、360°ウォッチの結果も確かめる必要があります。

事業活動による授与制限では、特定の兵器やたばこ製品に関する活動、石炭・褐炭の採掘などが対象として挙げられています。[2] 適用には活動の内容や割合に関する条件があるため、業種区分の名称だけで該当性を決めず、実際の事業内容を公式の条件と照らし合わせましょう。[3]

テーマ別の点数については、環境、労働と人権、倫理、持続可能な資材調達の各テーマに最低点の条件があります。[2] 総合スコアは各テーマの点数を加重平均して算出されるため、あるテーマの上昇と別のテーマの低下が重なり、全体では変化が小さくなることも考えられます。[4] 総合スコアが同じでも、テーマ別の点数に変化がないかは確かめる必要があります。

360°ウォッチは、企業に関する否定的・肯定的な指摘事項が反映される評価指標です。その指標スコアに応じたメダルの資格制限があります。テーマ全体の点数とは区別して確認しましょう。[2] ただし、資格制限には例外規定もあるため、指標スコアだけで対象外と断定することはできません。[3]

これらの条件が自社に当てはまるかは、それぞれ確かめる必要があります。公開資料を読んでも適用が分からない場合は、理由を推測せず、公式窓口への確認事項として控えておきましょう。

コンサルタントの視点

当社の支援経験では、取り組みを続けたのにメダルを得られなかった理由を尋ねられた際、相対評価の仕組みと、最低点などの資格条件を確認するよう案内しています。

点数自体が下がっていた場合は、その原因を別途分析する必要があります。回答内容と評価結果の関係まで確かめたい場合は、提出した証拠書類や評価指標の確認が次の検討事項になります。

証拠書類については「EcoVadisの証拠書類:既存の資料で何を確認すればよいか」をご覧ください。自社のスコアカードから理由をどこまで判断できるか整理したい場合は、リクロマにご相談いただけます。

よくある質問

メダルを得られなかった場合、自社の点数が下がったということですか?

いいえ、メダルを得られなかったことだけでは、点数が下がったとは判断できません。総合スコアが同じでも、他の評価対象企業との相対的な位置が変わることがあるため、前回と今回の総合スコアとパーセンタイルを見比べてください。[1]

パーセンタイルが下がったら、競合企業の点数が上がったと考えてよいですか?

いいえ、パーセンタイルの低下だけでは、特定の競合企業の点数が上がったとは判断できません。パーセンタイルは、直近12か月に評価された全業種・全規模・全地域の企業と比べて算出されます。このため、低下の要因としては、自社のスコアの低下と、評価対象企業全体のスコア分布の上昇の2つが考えられます。まず前回のスコアカードと総合スコア、テーマ別スコアを比べ、どちらの要因によるものかを確かめることをお勧めします。[1]

昨年と同じ点数なら、昨年のメダル基準で判断できますか?

いいえ、今回のスコアカードの発行月に適用される基準を確認する必要があります。メダルに必要な総合スコアの目安は毎月公表されているため、英語版ヘルプセンターの月次メダル基準の記事「Update on Monthly Medal Thresholds」を参照してください。[1]

総合スコアが同じなら、テーマ別の点数も同じですか?

いいえ、総合スコアが同じでも、テーマ別の点数が変わっている場合があります。総合スコアは各テーマの点数の加重平均で算出されるため、テーマごとの変化とメダルに必要な最低点の条件も確認してください。[2][4]

参考文献

[1] EcoVadisヘルプセンター「Update on Monthly Medal Thresholds」(英語版)
[2] EcoVadisヘルプセンター「EcoVadisメダルとEcoVadisバッジについて」
[3] EcoVadis「EcoVadis Medals: Methodology disclosure document for the public, rating users and rated items」2026年9月版。
[4] EcoVadis「EcoVadis Sustainability Rating: Methodology disclosure document for the public, rating users and rated items」2026年9月版。

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  • 大学では気候変動の経済学を専攻し、リクロマ株式会社には創業初期よりコンサルタントとして参画。
    情報開示支援を中心に温室効果ガスの排出の算定や高度なシナリオ分析の業務を担う。

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