Last Updated on 2026年10月26日 by Moe Yamazaki

サプライヤー評価を始める際は、何を判断するための評価なのかを決めることが先決です。目的によって、対象の取引先や集める情報が変わります。自社の質問票やEcoVadisなどの手段を選ぶ際も、得られる情報、取引先の負担、評価後の社内対応まで含めて検討すると、導入に必要な条件を整理できます。

評価結果を何に使うかを決める

評価の目的によって、対象とする取引先や確認項目は変わります。主要な取引先の管理状況を把握したい場合と、特定の原材料や生産地域に関する懸念を確認したい場合では、必要な情報が異なるためです。

たとえば、主要な取引先の状況を把握するなら、取引金額を基に対象を選ぶ方法が考えられます。特定のリスクを調べたい場合には、その課題に関係する取引先を選ぶ必要があります。自社がどちらの目的を重視するかを決めたうえで、対象の選び方を検討しましょう。

質問項目についても、方針の有無を知りたいのか、実際の取り組みを確認したいのかによって、求める回答が変わります。調達部門とサステナビリティ担当部門の間で、結果をどの判断に使うのかを共有しておくと、集める情報を絞りやすくなります。

取引先の負担と自社の運用を含めて手段を比べる

評価方法を選ぶ際は、必要な情報を得られるか、取引先が対応できるか、評価後まで自社で運用できるかを確かめましょう。自社の質問票、既存のツール、外部の評価サービスについて、それぞれが担う作業と自社に残る作業を比べます。

自社の質問票を使う場合には、質問の作成や回答内容の確認を社内で担う必要があります。既存のツールや外部サービスを使う場合も、取引先への説明や回答後の対応を誰が担うかは確認が必要です。利用できる機能と自社の業務を照らし合わせることが、運用の見通しを立てるうえで重要です。

取引先の負担には、費用のほか、関係部門への照会や資料を集める作業があります。費用を自社で負担する場合も、取引先には準備に要する時間が残ります。特に中小規模の取引先を含める場合は、対応に必要な人員や作業量にも目を向けましょう。

回答を得たあとには、未回答先への対応や、改善が必要な取引先へのフォローが生じます。また、回答データを社内でどこまで利用・共有できるかも確認事項です。導入時にはこうした対応を担う部門まで含めて検討しておくとよいでしょう。

EcoVadisで把握できる内容と利用条件を確認する

EcoVadisを候補にする場合は、評価結果が自社の目的に合うかを確認しましょう。公開されている方法論開示文書によると、評価では環境、労働と人権、倫理、持続可能な資材調達の4つのテーマを扱い、結果には総合スコアやテーマ別スコアなどが含まれます。[1]

取引先の管理状況を把握したい場合には、これらの評価結果が判断材料になります。ただし、特定の実績値や個別データが必要な場合は、取得できるかを別途確認する必要があります。評価で扱うテーマと、自社が求める情報の具体性を照らし合わせましょう。

取引先の準備については質問票への入力に加え、取り組みを裏付ける文書の収集も考える必要があります。公式ヘルプセンターでは、正式かつ最新で、評価以前から存在する文書が求められています。[2] 導入を検討する段階で、取引先が資料を準備できるかも確認しておきたい点です。

評価結果の共有と、提出文書の共有には、それぞれ確認が必要です。公式ヘルプセンターでは、提出企業から明示的な要請があった場合に限り文書をビジネスパートナー(評価結果を共有された企業)と共有すると説明されています。[2] 原資料の閲覧が必要なら、その共有条件も確かめましょう。

閲覧できる情報、社内での利用範囲、双方の費用負担は、検討するサービスについて個別に確認しましょう。自社独自の確認項目が残る場合は、追加で情報を集める作業も含めて導入を判断する必要があります。

コンサルタントの視点

導入前に評価結果を受け取ったあとの場面を想定すると、社内で決まっていない事項を見つけやすくなります。改善が必要な取引先が分かったとき、誰が何を判断するのかを考えてみましょう。その段階で説明しきれない点があれば、評価の目的や結果の使い方を関係部門であらためて確認しておくとよいでしょう。

導入後の運用については「EcoVadis バイヤー企業向け:サプライヤー管理プラットフォームの運用ガイド」をご参照ください。評価の目的や手段の選び方に迷う場合は、リクロマにご相談いただくこともできます。

よくある質問

EcoVadisの評価結果を共有してもらうと、提出した証拠書類も閲覧できますか?

評価結果を共有してもらっても、提出した証拠書類を自動的に閲覧できるわけではありません。公式ヘルプセンターでは、提出企業から明示的な要請があった場合に限り文書をビジネスパートナーと共有すると説明されているため、原資料が必要な場合は共有条件を確認してください。[2]

評価費用を自社で負担すれば、取引先の準備作業はなくなりますか?

いいえ、費用を自社で負担しても、取引先には関係部門への照会や資料の収集などの準備作業が残ります。特に中小規模の取引先を対象に含める場合は、対応に必要な人員や時間も確認しましょう。

EcoVadisを導入すれば、自社が必要とする実績データをすべて取得できますか?

必要な実績データを取得できるかは、導入前に個別の確認が必要です。評価結果には総合スコアやテーマ別スコアなどが含まれます。[1] 自社独自の確認項目が残る場合は、追加で情報を集める作業も見込んでおきましょう。

外部の評価サービスを使う場合も、評価後の対応を社内で決める必要がありますか?

はい、未回答の取引先への対応や、改善が必要な取引先へのフォローを誰が担うかは、社内で決める必要があります。調達部門とサステナビリティ担当部門で、評価結果をどの判断に使うかを共有しておくとよいでしょう。

参考文献

[1] EcoVadis「EcoVadis Sustainability Rating: Methodology disclosure document for the public, rating users and rated items」2026年9月版。
[2] EcoVadisヘルプセンター「証明書類について」

EcoVadis対応の支援

EcoVadis 回答支援

【このサービスに含まれる内容】
・質問票の内容や必要な資料についての説明(ヒアリング研修)
・提出資料の精査と、質問票への記入・添付
・結果の公開後に、次年度に向けた改善案を提案

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  • 大学では気候変動の経済学を専攻し、リクロマ株式会社には創業初期よりコンサルタントとして参画。
    情報開示支援を中心に温室効果ガスの排出の算定や高度なシナリオ分析の業務を担う。

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