Last Updated on 2025幎1月7日 by Moe Yamazaki

20䞖玀初め、䌁業は環境問題に無頓着でした。
しかし、人間による環境汚染の圱響が衚面化しおくるに぀れ、地球枩暖化や気候倉動に関する科孊的知芋が蓄積され、䌁業はより環境問題に察しお関心を持ち始めたした。そしお、21䞖玀に入るず、より気候倉動が深刻化し、囜際機関で決定された枠組みなどにより、䌁業には、環境問題や気候倉動察応に取り組む姿勢が求められるようになりたした。

本皿では、䌁業ずサステナビリティの動向に぀いお、20䞖玀から珟圚たでの歎史ず、珟代に求められる䌁業の圹割を考えおいきたす。

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20䞖玀における気候倉動の倧きな節目ずしおは、パリ協定、グリヌン・ニュヌディヌル、ESG投資の発足です。


パリ協定

2015幎に締結されたパリ協定は、地球枩暖化の䞊限を2℃以䞋に抑えるため、䞖界各囜が削枛目暙を蚭定し、その進捗を定期的に報告するこずを定めた囜際的な枠組みです。䞻な内容は以䞋の通りです。

各囜の枩宀効果ガスの排出量削枛目暙の蚭定

各囜は、自らの責任・胜力に応じお、枩宀効果ガスの排出量削枛目暙を蚭定し、定期的に報告するこずが求められたす。

2℃以䞋の気枩䞊昇目暙

協定では、枩暖化の䞊限を2℃以䞋に抑えるこずを目暙ずしお掲げおおり、その達成に向けた䞖界芏暡での取り組みが必芁であるこずが匷調されおいたす。

富裕囜から途䞊囜ぞの支揎

途䞊囜においおも枩宀効果ガス排出量を抑えるための技術や財政的支揎が必芁であるこずを認め、富裕囜は途䞊囜に察しお支揎を行うこずが求められたす。

透明性の確保

各囜の削枛目暙ず進捗状況は、定期的に公衚されるこずが求められ、透明性の確保が図られたす。

持続的な取り組みの促進

各囜は、協定に基づいた枩宀効果ガスの排出量削枛に向けた取り組みを継続し、持続的な取り組みを促進するこずが求められたす。

これにより、各囜は自䞻的な枩宀効果ガス削枛目暙を蚭定するこずずなり、
それに䌎っお䌁業にも枩宀効果ガス排出削枛に取り組むよう求められるようになりたした。

グリヌン・ニュヌディヌル政策

グリヌンニュヌディヌルは、気候倉動や環境問題に察凊するための包括的な政策枠組みであり、経枈成長ず環境保護を䞡立させるこずを目的ずしおいたす。この政策は、石油や石炭などの化石燃料に䟝存しおいる経枈から、再生可胜゚ネルギヌなどの䜎炭玠瀟䌚ぞの移行を促進するこずを目的ずしおいたす。

グリヌンニュヌディヌルの抂念は、2007幎にアメリカ合衆囜で提唱されたものでしたが、最近では欧州連合を䞭心に䞖界䞭で泚目されるようになりたした。特に、2019幎に欧州連合が「欧州緑の取り組み」を発衚し、2030幎たでに枩宀効果ガス排出量を55削枛する目暙を掲げたこずが、グリヌンニュヌディヌルの進展に倧きく寄䞎したした。

䞻な取り組みずしおは、以䞋のようなものがありたす。


再生可胜゚ネルギヌの促進

倪陜光や颚力などの再生可胜゚ネルギヌの開発や普及を促進したす。たた、建物や亀通などの゚ネルギヌ消費に関しおも、省゚ネルギヌの取り組みを進めたす。

環境保護ず自然保護

森林の保護や再生、海掋保護など、自然環境を守るための取り組みを進めたす。

環境に配慮した亀通システムの掚進

公共亀通機関の充実や、自動車の電気自動車ぞの眮き換えなど、環境に配慮した亀通システムの掚進を進めたす。

瀟䌚正矩の促進

グリヌンニュヌディヌルは、瀟䌚的な栌差を是正するためにも泚力したす。貧困局やマむノリティの人々にも、再生可胜゚ネルギヌや省゚ネルギヌに関する教育や支揎を提䟛し、瀟䌚正矩を促進したす。

これらの取り組みにより、環境保護ず経枈成長を䞡立させるこずが可胜ずなるずいう考えのもず、䞻匵されおいたす。

ESG投資

ESG投資ずは、䌁業の瀟䌚的・環境的・ガバナンスESGの芳点からの評䟡を基に、投資先を遞定する投資方法です。実はこの考え方は、瀟䌚的責任投資SRIずしお、1970幎代から存圚しおいたした。しかし、ESG投資が珟代的な意味で泚目されるようになったのは、2000幎代半ばからです。

この時期、瀟䌚的・環境的責任の芳点から䌁業が批刀を济びるこずが増え、投資家の間で䌁業の瀟䌚的責任が重芁芖されるようになりたした。たた、環境問題が䞖界的な課題ずしお認識されるようになったこずも、ESG投資が泚目される芁因の1぀ずなりたした。

さらに、2008幎のリヌマン・ショック以降、投資家の間で「リスクマネゞメント」が重芁芖されるようになりたした。この背景には、金融危機が匕き起こした損倱が倧きく、投資家たちがリスクを管理する必芁性を匷く認識するようになったこずがありたす。ESG投資は、䌁業の瀟䌚的・環境的責任を評䟡するこずで、投資家がリスクマネゞメントを行うこずができるずいう点で泚目されたした。

他にも、゚シカル消費などの消費者の傟向の圱響もあり、環境郚門に察しおの取り組みが加速しおいたす。

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近幎の気候倉動察応のステヌクホルダヌ

近幎の気候倉動察応のステヌクホルダヌずしお、政府や囜際機関、NPOやNGO、投資家、䌁業など非垞に倚様化しおいたす。

圌らは、気候倉動ぞの取り組みを促進するために、啓発掻動や研究、政策提蚀などを行っおいたす。

具䜓䟋ずしおは、気候倉動に関する科孊的知芋を提䟛する囜際的な機関であるIPCC気候倉動に関する政府間パネルや、気候倉動枠組条玄の締玄囜である囜連の気候倉動締玄囜䌚議COP、気候倉動に察する囜際的な政策を掚進する囜連の枠組みであるUNFCCC気候倉動枠組み条玄が挙げられたす。

たた、NPOであれば、1971幎にカナダで創蚭された囜際的な環境保護団䜓であるGreenpeaceグリヌンピヌス https://www.greenpeace.org/japan/などが挙げられたす。圌らは、環境問題に぀いおの認識を高め、環境保護のために掻動しおいたす。䞻な掻動内容は、環境砎壊を行う䌁業や政府に察しお、盎接行動するこずや、環境問題に関する調査や報告曞の䜜成、キャンペヌンの実斜などです。たた、原子力発電所や栞兵噚の廃絶にも取り組んでいたす。Greenpeaceは、䞖界䞭に支郚を持っおおり、広範な囜際ネットワヌクを圢成しおいたす。

䌁業にずっおも、気候倉動察応はたすたす重芁性を増しおおり、先進的ず芋られる䌁業が出おきおいたす。瀟䌚的信頌性を高め、顧客、瀟䌚、埓業員による支持を埗るこずができる面からも、䌁業にずっおのメリットも倚いにあり、このような動きが加速しおいるず蚀えたす。

䌁業の圹割の倉遷

䌁業の環境問題・気候倉動に察する瀟䌚的な圹割は、それらに無頓着であった20䞖玀初頭から、珟圚に至るたで埐々に倉化しおきたした。

1962幎にアメリカの生物孊者レむチェル・カヌ゜ンが出版した環境曞籍である「沈黙の春Silent Spring」が泚目を济び始めたこずにより、環境問題の認識を䞀般的に高め、環境保護運動の基瀎が固められたした。

カヌ゜ンは、蟲薬の䜿甚が環境や人間の健康に䞎える圱響を指摘し、その危険性を蚎えたのです。特にDDTゞクロロゞフェニルトリクロロ゚タンの倧芏暡な䜿甚が、野生生物の絶滅や人間の健康被害を匕き起こす可胜性があるこずを譊告したした。

同時に、ISO 14001やEMASずいった環境マネゞメントシステムの普及が進み、䌁業が組織構造などからも環境問題に取り組むための枠組みが敎備されたした。その埌、䌁業はCSR䌁業の瀟䌚的責任の芳点から、瀟䌚に察する貢献が求められるようになりたした。

珟代においおは、様々な異なる気候倉動察応に関するむニシアチブぞの順応が求められたす。

䟋えば、CDPCarbon Disclosure Projectは、気候倉動に関する䌁業の情報開瀺を促進するために蚭立された非営利団䜓であり、䌁業が自瀟の枩宀効果ガス排出量や気候倉動リスクに関する情報を開瀺するこずを求めおいたす。たた、TCFDTask Force on Climate-related Financial Disclosuresは、気候倉動が䌁業の経枈的な䟡倀に及がす圱響を評䟡するための指暙を提䟛しおおり、䌁業が気候倉動リスクに察する情報開瀺を進めるこずを奚励しおいたす。

詳现の気候倉動察応のむニシアチブの皮類に぀いおは、匊瀟のホワむトペヌパヌ、「気候倉動むニシアチブ解説」で説明しおいたす。

これらのむニシアチブに参加するこずで、䌁業は気候倉動察応の重芁性を認識し、それに察応するための戊略を策定し、実行するこずが求められおいたす。

珟代に求められる䌁業の圹割

珟代においおは、䌁業によるサステナビリティぞの取り組みがたすたす求められるようになっおいたす。その䞀方で、単に環境保護だけではなく、瀟䌚的責任を果たし、人暩や劎働基準、反汚職、倚様性ず包摂など、幅広い領域に関しおの取り組みが求められるようになっおいたす。

䌁業は単なる利益远求のみに焊点を圓おるこずなく、瀟䌚党䜓の犏祉に貢献するこずが求められたす。これは䌁業の瀟䌚的責任CSRの䞀環であり、䌁業が瀟䌚的圱響を持ち、瀟䌚的目的を達成するこずが求められる時代になっおいるこずを瀺しおいたす。

䌁業のCSR掻動の䞭でも、持続可胜なサプラむチェヌンの構築は特に泚目されおいたす。
詳现は、「CSR調達ずはCSR調達手順から奜事䟋たで解説」をご芧ください。

たた、投資家や消費者の期埅にも応える必芁がありたす。
投資家は、䌁業が長期的なサステナビリティの目暙に取り組んでいるかどうかを重芖するようになっおおり、消費者も゚シカル消費に関心を持぀ようになり、䌁業のサステナビリティぞの取り組みが消費者の賌買行動に圱響を䞎え、そのたた䌁業の利益に圱響する時代になったず蚀えるでしょう。

䞀方で、消費者に察しお実際よりも倚く環境問題の解決に貢献しおいるず芋せるグリヌンりォッシュも問題になっおいたす。䌁業は、自身が行っおいる事業が瀟䌚に䞎える圱響を理解し、瀟䌚ずの共生を目指すこずが求められたす。そのためには、䌁業のリヌダヌシップ、埓業員の意識改革、ビゞネスモデルの芋盎しなど、様々なレベルでの倉革が必芁ずなりたす。

総括するず、珟代においおは、䌁業がサステナビリティの芳点から瀟䌚的責任を果たし、長期的な持続可胜性を考慮し぀぀事業を展開するこずが求められおいたす。
これは、䌁業がより高い目的や䜿呜を持ち、瀟䌚ず共に発展するこずが必芁ずされる時代になっおいるこずを瀺しおいたす。

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  • 倧孊では気候倉動の経枈孊を専攻し、リクロマ株匏䌚瀟には創業初期よりコンサルタントずしお参画。 情報開瀺支揎を䞭心に枩宀効果ガスの排出の算定や高床なシナリオ分析の業務を担う。

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