Last Updated on 2023年9月11日 by ピーターズ花蓮
米国で、ESGという企業経営や投資判断の手法に対する反発が起きています。
世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、投資先企業に対するESG関連の株主提案への賛成率を大幅に低下させており、2023年の株主総会では、ESG関連の提案に対して全体の7%の賛成となりました。この賛成率の低下には、投資先企業の経営に不当な影響を及ぼす質の低い株主提案が急増していることが背景にあるとされています。
また、米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは、2021年から信用格付けリポートに掲載していた「ESGクレジット・インジケーター」という評価ポイントを公表しない方針に転換しました。このような「反ESG」の背景には、アイダホ州やユタ州の州政府が「格付け会社は、政治的な気まぐれによる主観的な基準ではなく財政状況や返済可能性などに重点を置くべきだ」といった、ESGの定量評価を公表することに、反対する書簡を送っていたことなどが影響していると見られています。
日本企業への影響
このような動きはあくまで「経済的な利益をESGによって阻害するべきでない」というのが大枠の主張であり「気候変動対策をしなくて良い」という主張では無いことに注意が必要です。日本においてもESG関連の株主提案は年々増加しており、今後更に増加することが予測されます。
株主提案に限らず、ESGに関する情報の見極めや取捨選択が、企業のESGとの関わりにとって重要な要素となります。
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