Last Updated on 2022年11月7日 by 西家 光一
11月1日、温暖化ガス排出量実質ゼロを目指すGlasgow Financial Alliance for Net Zero(以下、GFANZ=ジーファンズ)が、「金融機関のネットゼロへの移行計画」を公表しました。
GFANZはこれまで複数回に渡って“移行計画”を公表していましたが、本計画では金融機関への要求基準が緩和されました。化石燃料への投融資を減少させるなどの脱炭素化の厳しい要求に対して、加盟銀行から反発を受けていたことが背景にあります。
公表された計画では、①水素など低炭素社会の実現を推進する企業への投資を拡大すること②ビジネスモデルを科学的根拠に基づくネットゼロへの道筋に合わせること③移行計画の策定や移行を進めている企業を支援すること④高排出資産の段階的な廃止の4つの戦略が示されました。ウクライナ危機を受けて化石燃料回帰の動きも見られる中、6日よりエジプトで開催されている第27回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP27)で結束を示せるかが焦点となっています。
GFANZは、ネットゼロへの移行を目的に設立された銀行、保険、アセットオーナー、運用機関等のイニシアティブの連合体で、2021年11月、イギリス・グラスゴーで開催されたCOP26において正式に発足しました。
【参考】
GFANZ(2022)Financial Institution Net-zero Transition Plans