Last Updated on 2024年7月12日 by Moe Yamazaki

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要請されるサステナビリティ対応を受けて、SBT対応を検討している企業様も多いことと存じます。この記事では、弊社がご支援させていただいたSBT対応のプロジェクトを1件ピックアップし、ご紹介いたします。

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企業紹介

SBT目標設定のご依頼をいただいたのは、東証プライム上場の化粧品の製造販売を行う企業様です。売上高において国内でトップクラスのシェアがあります。

SBT対応の背景

競合企業がSBT対応を進めてきていたことと、企業様の経営層の方針としてサステナビリティを標榜していたため、ESG対応の一環としてSBT目標設定を行うべく、弊社にお問い合わせを頂きました。

当初の課題

ご依頼企業様は、スコープ1,2,3を社内で算定していました。この次のステップとしてカーボンニュートラルを達成すべく、SBTiの基準に準拠したGHG削減目標の設定を検討されているとのお問い合わせを頂きました。

当初の担当者様の課題としては、SBTiの承認申請のプロセスで必須となる英語対応のケイパビリティを有していなかったことと、また、そもそもSBTiが要求する詳細なルールを社内のキャパシティでは把握しきれないという点を伺っていました。

補足

“SBTi”と“SBT”の違い
SBTiとは、Science Based Target initiative(科学と整合した削減目標イニシアチブ)の略称で、2014年9月に4つの国際団体(CDP、WRI、WWF、UNGC)が運営主体となり設立されたイニシアチブです。この“SBTi”の事務局が認めた目標値のことを“SBT”といいます。

SBT目標の種類
また、SBT目標には下記の2種類があります:
・短期のSBT目標 (Near-term science-based target)
・ネットゼロSBT目標 (Net-zero target)

一般的に知られているのが前者の「短期のSBT目標」で、5〜10年の範囲内で目標年を設定することが必須です。後者のネットゼロSBT目標とは、最近新たにSBTiが推奨しているもので、より長期的な目標のことを指します。


弊社をお選びいただいた理由

SBTの承認のプロセスでは、SBTi事務局による提出した資料への問い合わせに2営業日以内に回答する必要がある中で、弊社の担当コンサルタントが素早く対応できるという点が企業様のニーズと合致し、ご契約に至りました。

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SBT目標の設定・承認申請のご支援の流れ

キックオフMTGでのやり取り

キックオフMTGでは、企業様が社内で作成した算定報告書 (Word) と算定結果 (Excel) をもとに必要条件を満たしているかのレビューを行いました。その次に、実際に設定する削減目標値をExcelを元に弊社で作成しました。


ご支援期間中のコミュニケーションの頻度および内容

ご支援期間は3ヶ月で、その間は2週間に1度の打ち合わせ以外に、メールでのコミュニケーションを頻繁に行っていました。先述の通り、SBT申請後には算定データの信頼性やカテゴリー分類の適格性などの確認のためにSBTiとのやり取りが発生します。この対応や、競合開示の分析なども含め、頻繁にコミュニケーションを取らせていただいていました。

ご支援後

SBT目標は無事に承認

最終的には、SBTに提出するWordとExcel資料およびSBTi事務局とのやり取りのQ&Aシートを納品させていただきました。支援を終えて、企業様は晴れてSBTiの承認を受けることができました。


SBT対応の効果とは?

SBTiは科学に基づいたネットゼロ目標のコミットメントを示す代表的なイニシアチブであり、国内外の投資家はじめNGOなどのステークホルダーからの評価向上が期待できます。

SBT設定のようなESG対応は、企業の長期的な価値に貢献すると考える投資家は世界的に増えており [1]、SBT設定によって国外からの投資も期待できます。

また環境系のNGOが企業のGHG排出削減目標を要請する事例は国内でも存在し、SBT設定はこうした要請の対応にも貢献します。

まとめ

この記事では、弊社のSBTiに準拠したGHG排出削減目標設定の支援事例をご紹介させていただきました。企業のサステナビリティ対応への要求が増える昨今、SBTiに準拠した目標設定は自社の気候対応へのコミットメントを示す上で効果的な方法です。
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リクロマの支援について

弊社はISSB(TCFD)開示、Scope1,2,3算定・削減、CDP回答、CFP算定、研修事業等を行っています。
お客様に合わせた柔軟性の高いご支援形態で、直近2年間の総合満足度は94%以上となっております。
貴社ロードマップ作成からスポット対応まで、次年度内製化へ向けたサービス設計を駆使し、幅広くご提案差し上げております。
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Author

  • 西家 光一

    2021年9月入社。国際経営学修士。大学在学中より国際人権NGOにて「ビジネスと人権」や「気候変動と人権」領域の活動を経験。卒業後はインフラ系研究財団へ客員研究員として参画し、気候変動適応策に関する研究へ従事する。企業と気候変動問題の関わりに強い関心を寄せ、リクロマ株式会社へ参画。

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