Last Updated on 2024幎11月20日 by HaidarAli

【気候倉動関連甚語がたるわかり甚語集はこちら】

再生可胜゚ネルギヌは、COP28においおも䞖界的な重芁性が再確認され、たすたす泚目を济びおいたす。

今回は、2024幎時点での再生可胜゚ネルギヌの䞖界ず日本の動向、䞖界再生可胜゚ネルギヌ囜別ランキング、䌁業が導入する方法などを、メリットや課題も含めお詳しく解説したす。 

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目次

再生可胜゚ネルギヌずは

再生可胜゚ネルギヌずは、地球資源をもずにした、枩宀効果ガスを排出せずに発電する゚ネルギヌ源の総称です。化石燃料に比べお環境ぞの負荷が䜎く、枩宀効果ガスの排出を削枛できるずいうメリットがありたす。

再生可胜゚ネルギヌの皮類

再生可胜゚ネルギヌには䞻に以䞋のようなものがありたす。

  • 倪陜光゚ネルギヌ
    倪陜からの光を利甚しお電力を発生させる方法。屋根や倪陜光発電斜蚭などで広く利甚される。
  • 颚力゚ネルギヌ 
    颚力発電は颚力を利甚しお颚車を回し、発電機で電気を生み出す方法。特に颚の匷い地域や海䞊で掻甚されおいる。
  • 氎力゚ネルギヌ
     æ²³å·ã‚„ダムなどの氎の流れを利甚しお氎力発電を行う。氎力発電は叀くから広く䜿甚され、安定した電力䟛絊が可胜。
  • 地熱゚ネルギヌ 
    地䞋の熱を利甚しお発電する技術。地熱゚ネルギヌは地熱発電所で利甚され、特に地熱地垯で有効である。
  • バむオ゚ネルギヌ
    生物由来の゚ネルギヌ源を利甚する圢態で、バむオマス発電、バむオ燃料、バむオガスなどが含たれる。

2050幎たでに枩宀効果ガス排出量を実質れロずする目暙の達成のカギを握るのは、二酞化炭玠排出量が最も倚い「゚ネルギヌ転換」郚門ずなっおいたす。

発電は、倩然ガスや石炭など化石燃料によるものず、原子力や再生可胜゚ネルギヌなど非化石燃料によるものに分かれたす。前者の利甚を枛らし぀぀、埌者のうち再゚ネによる発電をいかに拡倧させるかが重芁です。

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䞖界の再生可胜゚ネルギヌ囜別ランキング

䞖界の再生可胜゚ネルギヌ蚭備容量ランキングは以䞋の通りです。

1䜍䞭囜1,206TW
2䜍米囜370GW
3䜍ブラゞル175GW
4䜍むンド167GW
5䜍ドむツ153GW
6䜍日本139GW
7䜍カナダ105GW
8䜍スペむン71GW
9䜍フランス67GW
10䜍むタリア63GW

䞭囜は、再生可胜゚ネルギヌの導入においお䞖界をリヌドしおいたす。2䜍の米囜を3倍以䞊超える芏暡に達したす。

䞭囜は経枈成長に䌎い、゚ネルギヌの消費量が䞖界で最も倚い囜ずなりたした。しかしその埌自然゚ネルギヌ発電が急速に拡倧し、自然゚ネルギヌ発電蚭備の総容量は、䞭囜の䞻芁電源である火力発電を䞊回りたした。

ブラゞルは第3䜍であり、気象条件や資源、政府による積極的な政策により再生可胜゚ネルギヌ倧囜ずも蚀われおいたす。

ドむツでも、2019幎に囜内の発電量における再生可胜゚ネルギヌの割合が化石燃料を䞊回りたした。ドむツの先進的な政策は、倚くの囜においおも再゚ネ支揎策のモデルずもなっおいたす。

日本の再゚ネ発電蚭備容量は第6䜍です。䞀方、発電電力量に占める再゚ネの比率は玄22ず䜎いのが珟状です。

䞖界における再生可胜゚ネルギヌの珟状

パリ協定

パリ協定ずは、2015幎にフランスのパリで開催された囜際連合気候倉動枠組み条玄の第21回締玄囜䌚議COP21で採択された囜際的な合意です。この協定は、気候倉動の察策を進め、地球枩暖化を2床未満、できれば1.5床以䞋に抑えるこずが、䞖界共通の目暙ずなっおいたす。

IPCC第6次評䟡報告曞

2023幎3月20日、IPCC気候倉動に関する政府間パネルは、最新の統合報告曞を発衚したした。

第6次評䟡報告曞によるず、䞖界の平均気枩は産業革呜前からすでに1.1床䞊昇しおおり、2030幎代には1.5床に到達する可胜性が高いず指摘したした。

1.5床に抑えるための察策ずしお、CO2排出量を30幎に48、35幎に65、40幎に80、50幎には99たで削枛する必芁があるず予枬しおたす。たた、枩宀効果ガス党䜓の排出量も30幎に43、35幎に60、40幎に69、50幎に84たで枛少させる必芁がありたす。

報告曞では、早急で倧芏暡な削枛措眮を講じない限り、地球枩暖化は避けられない、ずの譊告がなされたした。再生可胜゚ネルギヌの普及がこの目暙の達成に䞍可欠であり、なかでも化石燃料の䜿甚を倧幅に削枛するこずが匷調されおいたす。

COP28の新たな目暙

近幎の䞖界的な動向ずしお、2023幎11月からドバむで行われたCOP28囜連気候倉動枠組条玄第28回締玄囜䌚議では、「䞖界党䜓の再生可胜゚ネルギヌ蚭備容量を2030幎たでに3倍にする」ずいう新たな目暙が掲げられ、日本を含む118カ囜が賛同したした。

これは、囜際瀟䌚の気候倉動に察するコミットメントが匷化されたこずを象城しおいたす。再生可胜゚ネルギヌの拡倧が、気候倉動察策の有効的な手段ずしお䜍眮づけられおいたす。

具䜓的には、各囜が再生可胜゚ネルギヌの導入を拡倧し、蚭備容量を既存の3倍にするこずが求められおいたす。これは、倪陜光、颚力、氎力などの再生可胜゚ネルギヌ源の利甚を拡倧するこずを意味しおいたす。目暙達成に向け、各囜が囜内の再生可胜゚ネルギヌむンフラの敎備や技術革新を進め、゚ネルギヌ転換を促進しおいく必芁がありたす。

日本もこの目暙に賛同し、再生可胜゚ネルギヌの普及を加速させる方針を打ち出したした。倪陜光発電や颚力発電などの再生可胜゚ネルギヌの導入量を倧幅に増加させ、囜内の゚ネルギヌミックスを再生可胜゚ネルギヌ䞭心に転換するこずが芖野に入れられおいたす。

日本における再生可胜゚ネルギヌの珟状

日本政府は、2030幎たでに13幎床比で枩宀効果ガス排出量を46%枛らし、50幎たでに実質れロにするずいう目暙を掲げおいたす。

2021幎床の゚ネルギヌ䟛絊構造をみるず、䞻力は火力発電であり、そのうち72.9%が化石燃料によるものです。前幎比の倉動では、石油が2.9%、石炭は2.9%増加しおいたす。液化倩然ガスLNGは6.4%枛少しおいたすが、䟝然ずしお囜内の発電量の70%以䞊が化石燃料に頌っおいるのが実態です。

䞀方で、枩宀効果ガスを発生させない特性を持぀原子力発電ぱネルギヌ䟛絊の䞭で6.9%を占め、再生可胜゚ネルギヌ発電は20.3%を占めおいたす。䟝然ずしお、持続可胜な゚ネルギヌぞの転換が求められおいたす。

䞀方で、2012幎7月のFIT制床固定䟡栌買取制床開始により、囜内での再生可胜゚ネルギヌの導入率は増加したした。2011幎床10.4% → 2021幎床20.3%

FIT制床ずは、再生可胜゚ネルギヌ事業者が、その発電した電力を䞀定の䟡栌で電力䌚瀟に売るこずができるずいう制床です。この䟡栌は政府が定め、䞀定期間通垞は20幎間にわたっお保蚌されたす。これによっお、発電事業者が安定した収益を埗られ、再生可胜゚ネルギヌの導入を促進するこずができたす。

再生可胜゚ネルギヌの普及における課題

再生可胜゚ネルギヌの普及にはいく぀かの課題がありたす。

①高いコスト

再゚ネの導入には初期投資が必芁です。そのコストが埓来の゚ネルギヌ源よりも高いこずが課題ずされおいたす。特に、倪陜光発電や颚力発電などの技術は進化しおきたものの、ただただ蚭備導入においお高い費甚がかかりたす。

②゚ネルギヌの収支の䞍安定性

再゚ネの䞭には倩候に䟝存するものが倚く、倪陜光発電は晎倩に、颚力発電は颚の匷さに巊右されるため、゚ネルギヌ䟛絊が䞍安定ずなりたす。これにより、基本的な電力需絊の安定性が損なわれ、その調敎に費甚がかかるこずが問題芖されおいたす。

③゚ネルギヌむンフラの敎備

2022幎2月に発生したロシアによるりクラむナ進行やコロナりむルスにより、゚ネルギヌ資源の䟛絊䞍安が䞀気に高たりたした。これらにより、䞖界各囜で゚ネルギヌ䟡栌の䞊昇が芋られ、日本でも電力需絊が逌迫し、゚ネルギヌ䟡栌が急隰したした。日本がもずもず゚ネルギヌ資源に恵たれおいない囜であるこずから、茞入に頌らない再生可胜゚ネルギヌや準囜産゚ネルギヌに䜍眮づけられる原子力ぞの移行が泚目されるようになりたした。

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2030幎に向けた再生可胜゚ネルギヌ導入目暙

これらの課題を螏たえ、脱炭玠ぞず向かうための斜策ずしお、政府は「GX実珟に向けた基本方針」を発衚したした。今埌10幎を芋据えお、゚ネルギヌ安定䟛絊・経枈成長・脱炭玠を同時に実珟する政策をたずめたロヌドマップです。

このGXずは、グリヌントランスフォヌメヌションGreen Transformationのこずを指し、これたでの化石゚ネルギヌ石炭や石油など䞭心の産業構造・瀟䌚構造から、CO2を排出しないクリヌン゚ネルギヌ䞭心に転換するこずを意味しおいたす。

「GX実珟に向けた基本方針」の抂芁
出兞経枈産業省 「GXに向けた基本方針」の抂芁

たた、2030幎に向けた再生可胜゚ネルギヌ導入目暙は以䞋の通りです。

再生可胜゚ネルギヌの発電量の割合36~38%
発電量33603530億KWh
环積蚭備容量187.8~201.8GW

具䜓的な斜策のひず぀に、省゚ネの掚進がありたす。

脱炭玠瀟䌚を実珟する䞊で、たず重芁なのぱネルギヌの䜿甚量を削枛するこずです。

䌁業においおは、非化石゚ネルギヌぞの転換を進めるために、情報開瀺のメカニズムを採甚し、各䌁業が省゚ネの目暙を蚭定しお取り組むこずを促進するず発衚しおいたす。

日本政府が䌁業の情報開瀺を進める目的は、䌁業が省゚ネに察する取り組みを透明か぀具䜓的に開瀺し、゚ネルギヌの効率的な利甚を促進するこずです。改正省゚ネ法などの法埋が埌抌しし、これに察するサポヌトも今埌拡倧しおいくずされおいたす。

家庭においおは、効果的な断熱窓の導入など䜏宅の省゚ネ化や、地域に合わせた省゚ネ家電の入れ替えなどに察しお補助金を提䟛し、これらをサポヌトするずしおいたす。

たた、政府は再゚ネの䞻電力化にも力を入れおいたす。

再生可胜゚ネルギヌの䞻芁な電源ずしおの脱炭玠効果を高めるため、囜党䜓で電力系統の敎備や、掋䞊颚力の拡倧蚈画が進められおいたす。

倪陜光発電のみでなく颚力発電の導入や、新築䜏宅のZEHの導入の匷化など、再゚ネ導入の最倧化ず同時に、安党面の䞍安や環境ぞの圱響を最小化する政策を進めおいくずしおいたす。

䌁業が再生可胜゚ネルギヌを導入するメリット

䌁業が再生可胜゚ネルギヌの導入に取り組むこずには、䌁業自䜓にずっおも倧きなメリットずなりたす。

①新たなビゞネスチャンスの創出

再゚ネ導入を行った䌁業は、䌁業䟡倀が向䞊し、新芏ビゞネスの機䌚を生み出したり、既存の事業の幅を広げたりするこずができたす。

将来、気候倉動察策によっお日本や䞖界の経枈瀟䌚が倧きく倉容するこずは確実です。この倉化に早期に適応するこずで、新たな事業ぞの移行や事業の成長を芋蟌むこずができたす。

②収益増加の可胜性がある

䌁業が積極的に省゚ネや急速に䜎コスト化が進む再生可胜゚ネルギヌを採甚したり、脱炭玠認蚌を取埗するこずで、収益増加の可胜性がありたす。再生可胜゚ネルギヌ導入のポテンシャルはずおも高いず蚀えたす。

③政府助成金や金融機関からの融資を受けられる

積極的な再゚ネ導入に取り組む䌁業は、政府から補助金、皎制や融資の優遇などの支揎策を受けるこずができたす。金融機関からの投融資も優先的に提䟛されるこずもありたす。

䌁業が再生可胜゚ネルギヌを導入するには

こうしたメリットを背景に、再生可胜゚ネルギヌを導入する䌁業は囜内で急速に増加しおいたす。

再生可胜゚ネルギヌの調達手段は3぀ありたす。

①自家発電・自家消費

1぀目は自家発電・自家消費で、䌁業が再゚ネ蚭備を構築し、発電しお自瀟で䜿甚するずいうものです。初期投資ず運甚・管理にはコストがかかりたすが、運転埌には䜎いコストで運甚できるこずに加え、リアルタむムの発電状況を把握するこずができたす。

②倖郚電力の賌入

2぀目に、再゚ネで発電した電力を倖郚から賌入する方法もありたす。倚くの電力䌚瀟はさたざたな電力を組み合わせお提䟛しおいるため、発電蚭備を特定しお賌入できないこずがありたす。䞀方で、初期投資が䞍芁であるため取り組みやすいずいうメリットがありたす。

③環境䟡倀の掻甚

3぀目は環境䟡倀の掻甚です。再生可胜゚ネルギヌによっお埗られた電力の環境付加䟡倀は、販売したり、賌入するこずができたす。これを掻甚し、省゚ネや枩宀効果ガスの排出抑制ずいった環境䟡倀そのものを買い取りたす。環境負荷の䜎枛においおはむンパクトが小さくなりたすが、䌁業にずっおコスト面のハヌドルが比范的䜎い手段ず蚀えたす。

最埌に、再生可胜゚ネルギヌの導入は、䌁業にずっお気候倉動察策だけでなく、持続可胜なビゞネスモデルの構築や経枈的なメリットの远求にも繋がりたす。

再゚ネ導入が持぀高いコストは、投資の察䟡ずしお、将来の安定性やコスト削枛をもたらす可胜性がありたす。長期的に芋るず、こうした䌁業は将来の䞍確実性に匷く立ち向かうこずができたす。

たた、再生可胜゚ネルギヌの導入は瀟䌚に察する䌁業の責任を果たす䞀環ず蚀えたす。䌁業は自らの掻動が瀟䌚に䞎える圱響を最小限にし、より持続可胜な未来ぞの貢献を考えるこずが倧切です。

再゚ネ省゚ネ

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参考文献

[1]経枈産業省「゚ネルギヌ基本蚈画の抂芁」https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20211022_02.pdf
[2]経枈産業省「今埌の再生可胜゚ネルギヌ政策に぀いお」https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/052_01_00.pdf
[3]経枈産業省「囜内倖の再生可胜゚ネルギヌの珟状ず今幎床の調達䟡栌等算定委員䌚の論点案」
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/078_01_00.pdf
[4]経枈産業省「「GX実珟」に向けた日本の゚ネルギヌ政策前線安定䟛絊を前提に脱炭玠を進める」https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/gx_01.html
[5]WWFゞャパン「IPCC報告曞AR6発衚『2035幎たでに䞖界党䜓で60%削枛必芁』
https://www.wwf.or.jp/activities/activity/5274.html

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  • 2022幎10月入瀟。総合政策孊郚にお気候倉動察策や瀟䌚䌁業論を孊ぶ。スりェヌデンの環境掻動家グレタ・トゥヌンベリによる囜際的な組織での掻動経隓を持぀。北欧ぞ留孊しサステナビリティず瀟䌚政策を孊ぶ。

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