Last Updated on 2026年10月26日 by Moe Yamazaki

CDPやSSBJ対応で集めた資料は、EcoVadis回答にも活用できる可能性があります。環境指標と、目標や方針が主な候補です。ただし、手元に資料があっても、そのまま提出できるとは限りません。設問に対応する内容か、情報は新しいか、対象組織は合っているかを確かめましょう。

活用候補になる資料

GHG(温室効果ガス)排出量、エネルギー使用量、水使用量などの実績と、環境方針や削減目標は、既存資料の中から探す対象になる情報です。CDPやSSBJ対応で集めた資料にこうした情報があれば、今回のEcoVadis質問票に対応する内容が含まれているかを確認する価値があります。

公開の文書ガイドには、受け入れ可能な文書の例として「CDP回答」が挙げられています。[1] ただしこれが受理されるかは、内容や有効期間、評価範囲などの要件によります。

また、データを社内での確認に活用することと、そのデータを掲載した書類を証拠として提出することでは、確認すべき点が異なります。数値が手元にあっても、提出する文書からその根拠を読み取れるかは、別途確認が必要です。[3]

定量データの集計年が2暦年以内に収まっているか確認する

CDPに回答した年と、そこに載っている実績の対象期間を区別しましょう。最近提出した回答書でも、掲載された数値が過去の実績である場合があります。資料の名称や提出年から、含まれるデータも新しいと判断しないことが大切です。

EcoVadisのヘルプセンターには、文書の要件として「定期的に見直されている文書であること」と記載されています。また、指標の報告と、方針や実施対策では、有効期間が異なります。[3] 手元の資料を確認するときは、何を裏付けるために使う文書かも意識してください。

指標なら実績の報告年度、方針なら発行日や見直し日、目標なら期限が主な確認事項です。過去に提出できた資料についても、今回の回答に使える期間内かを確かめる必要があります。具体的な有効期間は最新の文書ガイドで確認しましょう。[1]

提出した定量データとEcoVadis回答の組織範囲を確認する

データに含まれる会社や拠点が、今回の評価対象と対応しているかも確認が必要です。EcoVadisの評価範囲はグループ、法人、事業所に分けて説明されています。[2] CDPやSSBJ対応で用意した資料と、今回評価を受ける組織の範囲が同じとは限りません。

例えば、子会社1社が評価を受ける場合、手元にあるグループ全体の環境実績で、その子会社の実績を示せるかが論点になります。[1] 集計対象が異なる資料を活用する際は、数値の範囲に注意が必要です。

方針については今回評価を受ける会社や拠点にも適用されているかを確かめましょう。自社名が資料に記載されていることと、資料にある実績や方針が今回の評価範囲に対応していることは、分けて確認する必要があります。集計対象や適用範囲が分からなければ、資料を管理する部門への確認が必要です。

コンサルタントの視点

当社の支援経験では、CDP・SSBJ対応で集めた資料のうち、主な活用候補は環境指標と目標や方針です。既に社内にある情報を確認すると、追加で必要なデータを絞れます。

ただし、資料の確認を進めると、実績の更新や対象組織の確認が必要になることもあります。まずは既存資料で対応できそうな範囲と、情報が不足している箇所を把握しておくとよいでしょう。なお、EcoVadisの質問票に回答するためだけに作成した文書は受理されないため、実際の管理記録をもとに検討することが前提です。[3]

証拠書類の収集と整備については、「EcoVadisの証拠書類:既存の資料で何を確認すればよいか」もご覧ください。既存資料の活用範囲や追加で必要なデータの整理については、リクロマにご相談ください。

よくある質問

CDP回答書を提出すれば、EcoVadisの環境分野への回答は完了しますか?

いいえ、CDP回答書があっても、今回の環境分野の設問に必要な資料がそろっているとは限りません。公開の文書ガイドでは「CDP回答」が受け入れ可能な文書の例に挙げられていますが、設問に対応する内容か、有効期間内か、評価範囲が合っているかを個別に確かめる必要があります。[1]

SSBJに基づく開示書類は、EcoVadisの証拠書類として使えますか?

活用できる可能性はありますが、SSBJに基づく開示書類を明記した受理条件は、今回確認した公開資料では確認できていません。開示対応で集めたデータを活用する場合も、実際に提出する文書の内容と要件を照合してください。

CDP回答書の提出年だけで、データの新しさを判断できますか?

いいえ、今年提出した回答書でも、掲載されている数値が過去の実績である場合があります。回答の提出年に加え、実績の対象期間と文書の有効期間を確認しましょう。[1][3]

グループ全体の環境データを、子会社のEcoVadis回答にそのまま使えますか?

そのまま使えるとは限りません。子会社が評価を受ける場合、グループ全体の数値でその子会社の実績を示せるかを確認してください。[1][2]

参考文献

[1] EcoVadis「EcoVadis Document Guide」2026年版。
[2] EcoVadisヘルプセンター「評価範囲について理解する」
[3] EcoVadisヘルプセンター「証明書類について」

EcoVadis対応の支援

EcoVadis 回答支援

【このサービスに含まれる内容】
・質問票の内容や必要な資料についての説明(ヒアリング研修)
・提出資料の精査と、質問票への記入・添付
・結果の公開後に、次年度に向けた改善案を提案

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リクロマの支援について

弊社はISSB(TCFD)開示、Scope1,2,3算定・削減、CDP回答、CFP算定、研修事業等を行っています。
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  • 大学では気候変動の経済学を専攻し、リクロマ株式会社には創業初期よりコンサルタントとして参画。
    情報開示支援を中心に温室効果ガスの排出の算定や高度なシナリオ分析の業務を担う。

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