Last Updated on 2024年4月12日 by Yuma Yasui
デロイトトーマツグループは8月19日、テキストマイニングを用いた日米英における有価証券報告書・年次報告書の開示動向調査を発表しました。調査は日本・米国・英国上場企業の経営戦略、事業リスクへの対応における注力分野の動向を把握する目的で、日本においては3,337社が調査対象企業となりました。
TCFD開示状況に関しては、プライム市場に上場する調査対象企業1,743社のうち、 2022年決算の有価証券報告書の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」または「事業等のリスク」にて社会的価値・SDGs・ESGに言及した企業は全体の74%となる1,282社、TCFDに言及した企業は全体の29%となるのに対し、TCFD提言が開示を推奨する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目に分けて自社の状況を開示した企業は全体の8%となる137社に留まっていました。
また国別では、TCFDに言及する上場企業の割合は英国で38%、日本で16%、米国で3%となり、 TCFD提言に基づく開示の義務化が進んでいる英国と日本において記載割合が増加傾向にはありますが、日本の記載割合は英国の半分以下に留まるのが現状となっています。
日本国内においては、東京証券取引所が2022年8月に同様の調査を行っており、今後もTCFD開示状況の趨勢について注目が集まります。