Last Updated on 2026年1月12日 by Sayaka Kudo

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SSBJ基準は、日本国内でのサステナビリティ報告を統一する組織で、企業がサステナビリティ開示をする上での基準となります。本コラムでは、 SSBJ基準における「指標及び目標」項目で押さえておくべきポイントについて解説していきます。

以下の記事ではSSBJの概要と草案の内容を、3つのパートに分けて詳しく解説しています。
SSBJ サステナビリティ開示基準「ガバナンス」「リスク管理」の要求事項まとめ【Part1】
SSBJ サステナビリティ開示基準 「戦略」の要求事項まとめ【Part2】
SSBJ サステナビリティ開示基準「指標と目標」の要求事項まとめ【Part3】(本記事)

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SSBJ 基準とは

 SSBJ基準とは、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)という企業のサステナビリティに関する情報開示の基準を策定する組織が定めたサステナビリティ開示基準です。日本国内でのサステナビリティ報告の統一化と透明性の向上を目的とし、国際的な基準であるISSB基準に対応した、ユニバーサル基準(適用基準)とテーマ別基準(一般基準・気候基準)から構成されます[1]。

ISSB基準とSS BJ 基準の整合性
出典:サステナビリティ基準委員会(SSBJ)(2025)「SSBJ基準の概要」

ISSB・IFRSとの関係性から、SSBJの組織的位置付けと意義を解説

SSBJ基準の「指標及び目標

「指標及び目標」は、テーマ別基準に当たる一般基準と気候基準において開示が要求されます。一般基準と気候基準の違いは、扱う情報の領域が異なります。具体的には、前者(一般基準)は「財務報告書の主要な利用者が企業に資源を提供するかどうかに関する意思決定を行うにあたり有用な、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する情報の開示」が目的であり、後者(気候基準)は、「財務報告書の主要な利用者が企業に資源を提供するかどうかに関する意思決定を行うにあたり有用な、気候関連のリスク及び機会に関する情報の開示」が目的となっています[1]。

「指標及び目標」が要求される一般基準と気候基準

出典:サステナビリティ基準委員会(SSBJ)(2025)「SSBJ基準の概要」

開示目的

「指標及び目標」の開示目的は、サステナビリティ関連のリスク及び機会/気候関連のリスク及び機会に関連する企業のパフォーマンスを理解できるようにすることです[4,5]。つまり、企業がサステナビリティ関連や気候関連のリスクと機会についてどのように測定・モニタリング・管理するのかを投資家らが理解できるように開示をすること、と言い換えることができるでしょう。

開示項目

一般基準における開示項目

指標の開示項目内容
必須指標適用されるサステナビリティ開示基準が要求している指標(企業に関連する産業別の指標のうち、主なもの)
測定対象をモニタリングするために企業が独自で用いる指標サステナビリティ関連のリスク又は機会や関連する企業のパフォーマンス(その達成に向けた進捗など)を測定・モニタリングするために企業が用いている指標
目標の開示項目内容
使用した指標目標を設定し、当該目標の達成に向けた進捗をモニタリングするために用いる指標
目標内容企業が設定した、又は満たすことを要求されている具体的な定量的又は定性的目標
適用期間目標が適用される期間
基準期間進捗が測定される基礎となる期間
マイルストーンマイルストーン及び中間目標がある場合、その内容
実績目標のそれぞれに対する企業のパフォーマンス
時系列分析企業のパフォーマンスに関するトレンド又は変化についての時系列での分析
目標変更目標を変更した場合、その旨及びその内容

一般基準における産業別の指標とは

SSBJ によると、「産業別の指標」とは、その産業に属する企業に共通するビジネス・モデル又は活動に関連する指標を指します[3]。サステナビリティ関連のリスク及び機会は企業が事業を営む産業によって異なると考えられることから、主要な利用者のニーズを満たす情報を提供するため、SSBJ 基準は企業に関連する産業別の指標の開示を求めています。

「企業に関連する産業別の指標のうち、主なもの」とありますが、開示する産業別の指標を決定するにあたって、ISSB が公表する「産業別ガイダンス」に記述されている、開示トピックに関連する産業別の指標を参照し、その適用可能性を考慮することが要求されます[3]。

気候基準における開示項目

指標の開示項目内容
産業横断的指標産業横断的指標等に関連する情報
産業別指標産業別の指標
気候関連目標に係る指標気候関連のリスクの緩和、気候関連リスクへの適応、又は気候関連の機会の利用のために企業が設定した気候関連の目標及び、法令により満たすことが要求されている目標がある場合の当該目標
定義・算定方法気候関連の指標(目標の進捗をモニタリングするために用いる指標を含む。)の定義及び算定方法は、時間の経過とともに一貫性を保つこと
名称・定義気候関連の指標及び目標には、その内容を示す明瞭かつ正確な名称を付し、定義すること
目標の開示項目開示内容
使用した指標目標を設定するために用いる指標
目標内容企業が設定した、又は満たすことを要求されている具体的な定量的又は定性的目標
目標の目的緩和、適応、又は科学的根拠に基づく取組みへの準拠など、目標の目的
適用範囲目標が適用される企業の部分(企業全体又は特定の事業単位・地域など)
適用期間目標が適用される期間
基準期間進捗が測定される基礎となる期間
マイルストーンマイルストーン及び中間目標がある場合、その内容
目標の種類目標が定量的である場合、絶対量目標か原単位目標かの区分
国際協定との整合気候変動に関する最新の国際協定(法域のコミットメントを含む)を目標にどのように反映したか)

気候関連の目標については、次の事項に関する情報を開示することが定められています。
(1) 目標のそれぞれを設定し、レビューするアプローチ
(2) 目標のそれぞれに対する進捗をモニタリングする方法

また、上記の開示を行うにあたり、以下を含める必要があります。
(1) 目標及び目標設定についての方法論が第三者によって認証されているかどうか
(2) 目標を変更する必要がないかどうかを確認する企業のプロセス
(3) 目標の達成に向けた進捗をモニタリングするために用いる指標
(4) 目標を変更した場合、その旨及びその内容

さらに、目標達成の進捗については、以下の情報を開示しなければなりません。
(1) 気候関連の目標のそれぞれに対する企業のパフォーマンス
(2) 企業のパフォーマンスに関するトレンド又は変化についての時系列での分析

(参考)開示する指標の決定のフロー

出典:SSBJ(2025)「産業別の指標」

気候基準における産業横断的指標とは

産業横断的指標には、以下の事項の開示が求められています[2]。
(1) 温室効果ガス排出
(2) 気候関連の移行リスク(気候関連の移行リスクに対して脆弱な資産又は事業活動の数値及びパーセンテージ、気候関連の移行リスクに対して脆弱な資産又は事業活動の規模に関する情報など)
(3) 気候関連の物理的リスク(気候関連の物理的リスクに対して脆弱な資産又は事業活動の数値及びパーセンテージ、気候関連の物理的リスクに対して脆弱な資産又は事業活動の規模に関する情報など)
(4) 気候関連の機会(気候関連の機会と整合した資産又は事業活動の数値及びパーセンテージ、気候関連の機会と整合した資産又は事業活動の規模に関する情報など)
(5) 資本投下
(6) 内部炭素価格
(7) 報酬

まとめ

SSBJ基準は、国際的な比較可能性を確保しながら、日本企業に求められるサステナビリティ開示を明確化する枠組みです。本コラムで紹介した「指標及び目標」は、企業のリスク・機会への対応状況やパフォーマンスを投資家に伝える中核的要素となります。今後の本格適用を見据え、企業には早期から戦略と整合した開示体制の構築が求められるでしょう。

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#SSBJ

サステナビリティの新基準、ISSBとは?

【このホワイトペーパーに含まれる内容
主要な情報開示イニシアチブ(ISSB,TCFD,CDP,ESRSなど)の関係性を一括整理
ISSBの概要や対象と義務レベル、設立背景まで詳細に解説
IFRS S1,S2最終案の概要を項目ごとに解説

参考文献

[1]SSBJ(2025)「SSBJ基準の概要」(閲覧日:2026年1月12日)
[2]SSBJ(2025)「産業横断的指標等(気候関連の移行リスク、気候関連の物理的リスク及び気候関連の機会)に関する開示」(閲覧日:2026年1月12日)
[3]SSBJ(2025)「産業別の指標」(閲覧日:2026年1月12日)
[4]SSBJ(2025)「サステナビリティ開示テーマ別基準第 1 号一般開示基準」(閲覧日:2026年1月12日)
[5]SSBJ(2025)「サステナビリティ開示テーマ別基準第 2 号気候関連開示基準」(閲覧日:2026年1月12日)

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Author

  • 2022年10月入社。総合政策学部にて気候変動対策や社会企業論を学ぶ。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリによる国際的な組織での活動経験を持つ。北欧へ留学しサステナビリティと社会政策を学ぶ。

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