Last Updated on 2023年4月28日 by maejimarikuto

2022年12月27日、第6回サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が開かれました。サステナビリティに関する国際的な開示基準の策定に関して、主要な基準設定主体である国際サステナビリティ基準審議会(International Sustainability Standards Board: ISSB)以外の動向として、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)案について報告・検討が行われました。

ESRSは主にEU域内の企業を対象として策定が進められていますが、2029年度には、EU圏内に子会社を持つ企業* も対象となる見込みとなっています。そのため、日本を含むEU域外の親会社も、ESRS適用の範囲内となる可能性があります。

また、ISSBと整合性をもたせることは、ESRSの策定を進めていく上で重要な課題となっていますが、ESRS全般ではマネジメント・コメンタリーを含むような設計となっている等、ISSBとは異なる点も存在するため、ESRSの策定について、今後注視していく必要がありそうです。

SSBJは、国内のサステナビリティ開示基準の開発と国際的なサステナビリティ開示基準の開発への貢献を目的として、2022年7月に設立され、同年11月には、委員会の運営方針を公表しています。運営方針の中では、ISSB基準が国際的なベースラインであることに言及し、2023年度に公表予定のISSB基準の最終案を踏まえて、日本における固有の開示要求事項を追加する方針を示しています。弊社の見解としては、非財務情報開示基準に関しても財務情報開示同様、国内基準となるSSBJが策定した基準と国際的なISSBの基準が併存するのではないかと考えています。

*第三国に所在するEU域外の親会社がEU域内において過去2会計期間連続(last two consecutive financial years)して150百万ユーロ超の連結売上高があり、かつ①EU域外の親会社が有するEU域内の子会社が大規模企業又はEU域内上場企業(零細企業を除く)に該当する場合、若しくは②EU 域外の企業のEU支店がEU域内において前年の売上高が40百ユーロ超である場合に、ESRSはEU域外企業にも適用される。

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