24日、EUはロシアのウクライナ侵攻を受け、数十年輸入を続けていたロシア産石油、天然ガス等の燃料を無期限で停止する方針を示しました。
この方針によってEUはロシアに対して更なる制裁を加えることができると考えられています。一方で、この政策は数年を要し、EU各国に高額な税金負担を強いることにもなります。特にドイツはロシアからの大量の燃料輸入を行っていましたが、22日ロシアとのパイプラインであるノルドストリーム2の建設を中止させるなど一気に方針転換を行っています。パイプライン停止の影響により、ヨーロッパの天然ガス価格は一時62%高騰しました。欧州委員会は、ヨーロッパ全体で再生可能エネルギーへの切り替えの戦略を策定しています。また、ロシア経済はヨーロッパへの化石燃料の輸出に大きく依存しているため、ロシアにとっても今回の方針は大きな痛手です。ですが長期的にロシアは天然ガスの輸出市場をヨーロッパから中国に移す狙いがあります。
また、アメリカとEUは、2日にロシアを国際銀行通信協会(SWIFT : Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication SC)から排除する声明を発表しました。ヨーロッパのロシアからの燃料脱却の方針は西側諸国の経済制裁に対する更なる促進剤ともなっています。
引用・参考文献
[1]Washington Post(2022年2月24日)「E.U. will unveil a strategy to break free from Russian gas, after decades of dependence」
URL:https://www.washingtonpost.com/climate-environment/2022/02/23/russia-ukraine-eu-nordstream-strategy-energy/
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