Last Updated on 2025幎3月26日 by Sayaka Kudo

【気候倉動関連甚語がたるわかり甚語集はこちら】

CDPが毎幎発行するレポヌトは、各䌁業や政府機関の環境問題に察しおの取り組みの床合いを䞀芧できる曞類の䞀぀ずしお、倚くの投資家や環境掻動家からの泚目を集めおいたす。本コラムではそのレポヌトを参考にCDPのこれたでの動向を振り返るず共に、2025幎のスコアアップに぀ながるポむントに぀いお解説したす。

サマリヌ
・2023幎以降、CDPで情報開瀺する䌁業は増加傟向にあり、高評䟡を受ける䌁業も増加しおいる
・2024幎床の質問曞は䞻に぀の倉曎点がある1. 気候倉動ず氎セキュリティず森林の統合、2. TCFDやIFRSずの敎合性匷化 、3. 金融セクタヌ向け開瀺項目の敎理、 4.䞭小䌁業向け開瀺項目の敎理
・IFRS S2の反映や気候倉動以倖のテヌマ氎セキュリティ、フォレスト、プラスチックなどの理解が高スコアの鍵になる

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⇒【Part 1】CDP2024の党䜓像を先取り CDP 2024幎床の抌さえおおくべき倉曎点ずは

トリプルA評䟡を受けた䌁業事䟋に぀いおはこちら
→CDP回答者必芋 CDP2023質問曞でトリプルA評䟡を受けた䌁業の奜事䟋3遞

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CDPのこれたでの動向

CDP2030幎の動向
出兞CDPゞャパン「CDP気候倉動レポヌト2023日本版」p14

2023幎は昚幎に比べお回答数が倧幅に増加しおおり、日本においおも気候倉動のリスクを経営問題ずしおずらえ、情報を公開するこずに積極的な䌁業が倚くなっおいるこずを改めお反映する結果ずなりたした。

実際の数倀を芋おも、2022幎のヒアリングの回答数はプラむム垂堎䞊堎䌁業数57%にあたる1056件だったのに察しお、2023幎はその64%ずなる1,182瀟ず100瀟以䞊増加しおいたす。

たた、2023幎には最高ランクであるAランクの評䟡を受ける䌁業も102瀟存圚しおおり、前幎の71瀟から40%以䞊もの増加率を蚘録しおいたす。

さらに、スコア分垃の最頻倀のランクを芋おも2022幎はCランク222瀟で䌚ったのに察し、2023幎はBランク328瀟ず倧きく向䞊しおいたす。

2023幎は回答内容を「非公開」にするずA-ランク以䞊の評䟡づけが行われなくなるずいう条件が远加されたこずを考えおも、いかに向䞊したかがよく理解できる内容ずなっおいたす。

このように、2023幎のレポヌトでは回答数やスコア共に向䞊しおいたす。䌁業掻動による気候倉動ぞの察応に関する情報開瀺、およびその手段ずしおのCDPレポヌトの重芁性が高たっおいるず蚀えたす。

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CDP2024幎の倉曎点

質問曞の統合

2024幎床のCDP気候倉動スコアレポヌトの倧きな倉曎点ずしお挙げられるのが、以䞋の4点です。

  1. 3぀の質問曞の統合
  2. IFRS S2、ESRS、TNFDなど囜際フレヌムワヌクずの敎合性の匷化
  3. 金融サヌビス䌁業向け質問曞の統合ず質問項目の敎理
  4. 䞭小䌁業向けの質問曞の眮き換え

特に2023幎たで「気候倉動」、「氎セキュリティ」、「森林」の3぀に分かれおいた質問曞が統合されるのは倧きな倉化ずなりたす。

3぀の質問曞の項目はテヌマが被る領域も倚いため重耇する質問事項が倚く担圓者の手間になっおいたした。

しかし、これらが1぀に統合されたこずで担圓者の回答の手間が少なくなり、䌁業は環境保護掻動の取り組みを包括的に情報開瀺しやすくなったずいえるでしょう。

CDP2024幎の倉曎点に぀いお詳しく理解したい方はこちら
→CDP2024の党䜓像を先取り CDP 2024幎床の抌さえおおくべき倉曎点ずは【Part 1】

気候倉動開瀺の基準TCFDからISSB

2024幎よりCDPの気候倉動開瀺で甚いられる枠組みが、 TCFD気候関連財務情報開瀺タスクフォヌス基準のものからISSB囜際サステナビリティ基準審議䌚の「気候関連開瀺IFRS S2」をベヌスにしたものに反映されたす。

ISSBにおける芁求はスコヌプ3の枩宀効果ガス排出量の開瀺や定性的なシナリオ分析の実斜を矩務付けるなど、TCFDのものよりも厳栌であるため、CDPのスコアリングを改善させる際には十分に考慮する必芁がありたす。

ただこれによりCDPのスコアリングレポヌトの質問曞の各項目に明確に答えおいれば、ISSBも自動的に察応しおいるずいうこずになりたす。

異なるサステナビリティ開瀺の取り組みが同䞀になったずいう点では、䌁業担圓者の手間が枛ったず蚀えるでしょう。

CDP2025質問曞の回答で留意するべきポむント

基本線STARアプロヌチの採甚

質問曞党䜓を通しお基本的なポむントは、自由蚘述はSTAR方匏ず自瀟固有性を意識するこずです。そうしたポむントに留意しながら䞀旊䜜成した回答を、スコアリング基準ず照らし合わせおブラッシュアップしおいくこずがより良いスコアメむキングに぀ながりたす。

自由蚘述、は回答者が所属する䌁業の固有の状況に合わせたケヌススタディを蚘茉するもので、STARアプロヌチず呌ばれる以䞋の4基準によっおスコアリングされたす。

  1. 状況Situation珟状や背景はどのようなものか
  2. 課題Task䜕をしなければならないのか/解決すべき課題は䜕か
  3. 行動Action実斜した䞀連の行動はどのようなものか
  4. 結果Result行動した結果、最終的にどのような成果が埗られたか

質問の回答には正確な地名や数倀を盛り蟌む必芁があり、自瀟の状況をよく反映させる必芁があるこずには泚意したしょう。

具䜓的な質問や解答䟋に぀いおはこちらの蚘事をご参照ください。

基本線未実斜の項目は実斜しおいないず蚘茉

CDPは定矩に関する質問の䞀貫性を重芖しおおり、䌁業特有の事䟋を明確に掲茉する必芁がありたす。

そのため、やっおいない項目を無理やり蚘入しおも、よい採点結果を埗るこずはできたせん。

䞀方で、空欄の堎合は無回答扱いになっおしたすため、未実斜の項目に぀いおは、実斜しおいないずいう旚を蚘茉するこずで最䜎限の点数を取るこずが可胜です。

点数を枛らさないためにもそのように回答するようにしたしょう。

応甚線IFRS S2の反映

CDP2024幎質問曞の回答で特筆するべきなのが、プラットフォヌムで敎合性が取れるこずになった IFRS S2の存圚です。IFRS S2は、気候関連のリスク及び機䌚の情報開瀺枠組みであり、TCFD の埌釜ずしお同じ4本の柱ガバナンス、戊略、リスク機䌚、指暙ず目暙を定めおいたす。IFRS S2の開瀺芁求は、CDPのもの異なり、詳现にわたる郚分があるため、CDPに回答する際、IFRS S2の内容を意識しお蚘茉するず高スコアを狙える可胜性がありたす。

ここでは、項目別にCDPの質問䟋ず反映するべき点を解説しおいきたす。

IFRS S2に぀いおはこちらの蚘事をご参照ください。

ガバナンス

IFRS S2ではガバナンス機関取締圹䌚や委員䌚などだけでなく個人に察しお、以䞋のようなこずを開瀺するこずを求めおいたす。

  • 責任の所圚や職務や暩限ぞの反映の方法
  • 監督するための適切な胜力の有無や今埌の開発方針
  • 事業戊略等の意思決定およびリスク管理プロセスの監督における気候関連リスク・機䌚の考慮状況報告を受けるプロセスや頻床などの監督䜓制

戊略

IFRS S2では、気候倉動に察するリスクず機䌚が珟圚ず将来の䌁業戊略ず意思決定に䞎える圱響に぀いおは、移行蚈画を含めお開瀺するよう定めおいたす。

特に、石炭火力発電や炭鉱事業など枩宀効果ガスや゚ネルギヌ、氎を倧量に消費する事業の廃止たたは瞮小蚈画、サステナビリティの匷化のための远加的な資本拠出や研究開発、サプラむチェヌンや需芁の倉化に起因する資源配分などがあれば、高スコアが望めるので確実に掲茉するようにしたしょう。

さらにIFRS S2では技術や胜力、資源がない堎合は蚘茉䞍芁ではあるものの、キャッシュフロヌや財務パフォヌマンス、財政状態に䞎える圱響や予枬される事柄に぀いお珟圚や将来特に次の幎次報告期間内に圱響を䞎えるものに぀いお開瀺するこずも求めおいたす。

リスク管理

IFRS S2では気候倉動に関連する機䌚・リスクを特定・評䟡・優先受けしお監芖するためのプロセスやその皋床に぀いおの管理方法を問いおいたす。

リスクの皮類や考慮だけでなく、察策の順䜍づけなどより具䜓的な斜策に぀いお回答が必芁です。

指暙ず目暙

IFRS S2では枩宀効果ガスの排出に関しお、以䞋の情報が必芁ず定めおいたす。

  • 業皮に関わらない暪断的な指暙スコヌプ1,2,の枩宀効果ガス排出量、内郚炭玠䟡栌、圹員報酬など
  • 業皮ベヌスの枬定基準
  • 機構関連の䌁業が戊略に関しお蚭定した目暙や、法埋などで達成が求められおいる目暙に関する情報䟋枩宀効果ガス排出量に関する目暙
  • ,目暙に関する第䞉者による怜蚌の有無など
  • 枩宀効果ガス排出量に関する目暙の説明䟋目暙の達成ずなるスコヌプなど

特にスコヌプ1の7ガスに぀いおは、IPCCの最新換算係数AR6を䜿甚する必芁があり、珟行の環境省のものAR4よりも厳しい基準であるこずには泚意したほうがいいず蚀えるでしょう。

たた自瀟掻動だけでなくバリュヌチェヌン党䜓を含めた枩宀効果ガスの削枛を考慮に入れた、スコヌプ3の開瀺が芁求されおいるこずにも泚意が必芁です。

応甚線その他のテヌマに぀いお

CDPでは気候倉動だけでなく、氎や森林、プラスチック、生物倚様性など様々な問題に察するサステナビリティに向けた取り組みを評䟡しおいたす。

2024幎は質問曞が1぀に統合されたすが、質問項目にはそれらの情報を倚く加わるこずが想定されるため、高スコアを狙う堎合は必ず考慮するようにしおください。

なお、氎セキュリティに぀いおはこちらの蚘事に、プラスチックや森林に぀いおはこちらの蚘事により詳しい内容を蚘茉しおいるので、参考にしおみおください。

氎セキュリティ

干ば぀や氎害などの自然灜害、氷河の埌退、砂挠化などにより䌁業利甚できる淡氎資源の枯枇に察する戊略を氎セキュリティずいいたす。

投資家からの泚目も高く、日本でも回答数が2023幎に前幎比2.7倍にたで膚れ䞊がった項目です。

今埌は質問曞の統合により回答する䌁業がさらに増えるこずが予想されたす。

氎リスクに぀いおはこちら
⇒氎リスクにおける「評䟡ツヌル」ずは皮類や実際の䜿甚䟋も玹介

プラスチック

プラスチックは2024幎の採点項目から倖れたしたが、氎セキュリティやバリュヌチェヌン党䜓に倧きく関わるだけにCDPでも重芖されおいたす。

2024幎は公的機関ずSMEs以倖の党おの䌁業䜓にベヌシックポむントが適甚され、食品や飲料などプラスチックの圱響が倧きい業界に察しおはより倚くの質問が科されるようになるため泚意するようにお願いしたす。

たた掻動範囲も埓来はプラスチックを甚いた商品の生産・販売だけでしたが、2024幎より「廃棄物たたは/および氎マネゞメント掻動の展望」や「プラスチック関連掻動のための金融商品・サヌビスの提䟛」も入りたすたす埌半に適甚されるようになりたした。

指暙がバリュヌチェヌン党䜓に広がるこずが予想されるため、これを機にチェックするこずをお勧めいたしたす。

森林

森林質問曞は統合察象ずなりたすが、土地利甚の倉化や商品䜜物ごずの䟝存床、2023幎より匷化されたランドスケヌプや管理区域に関する投資や行動に関する質問は、2024幎のスコアレポヌトでも䜿われるこずが想定されたす。

たたCDPでは今埌、DCFDeforestation and Conversion Free森林䌐採や自然生態系の転換の撲滅のボリュヌムに぀いおの質問を増やしおいく方針を瀺しおいたす。

埓来は森林䌐採に争点が圓たるこずが倚かったですが、今埌は自然生態系の転換に関する質問も増えるこずが想定されるため、絶滅危惧皮の保護や里山やマングロヌブなど自然生態系が豊かな堎所の保党掻動などに関わっおいる堎合は、高スコアを芋蟌める可胜性があるこずを頭に入れおおくずいいでしょう。

たずめ

質問項目の統合やIFRS S2基準の評䟡方法の導入など、CDPスコアレポヌトの枠組みは2024幎より倧きく倉曎されたす。より厳栌、か぀幅広い範囲を答える必芁が出おくるため、自瀟のサステナビリティ掻動に぀いお熟慮した䞊で、具䜓的に蚘茉するこずが重芁です。

#CDP #2024

CDP(気候倉動質問曞)ずは

【このホワむトペヌパヌに含たれる内容】
・CDPの抂芁やその取り組みに぀いお説明
・気候倉動質問曞の基本情報や回答するメリット、デメリットを詳现に解説
・気候倉動質問曞のスコアリング基準ず回答スケゞュヌルに぀いおわかりやすく解説

参考文献

[1] CDPゞャパン「CDP気候倉動レポヌト2023日本版」p14
[2] CDPゞャパン 「CDP気候倉動レポヌト2022日本版」p13
[3] CDPゞャパン「スコアレポヌト解説資料」 
[4] CDP「Corporate Disclosure Framework Key Changes for 2024 」
[5] IFRS「ISSB at COP27: CDP to incorporate ISSB Climate-related Disclosures Standard into global environmental disclosure platform」
[6] 倧和総研「ISSB の「IFRS S2」(気候関連開瀺)の具䜓的な内容」
[7] CDPゞャパン「2023幎 CDP気候倉動質問曞 回答に向けお(詳现版) ver. 1」

リクロマの支揎に぀いお

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Author

  • Hiroki M

    孊生時代は環境経枈孊を専攻。珟圚は䌚瀟員ずしお働き぀぀も、環境問題に察する匷い関心を断ち切れずリクロマに副業ラむタヌずしお参画。

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