Last Updated on 2026年10月26日 by Moe Yamazaki
EcoVadisの管理指標「範囲」は、取り組みが従業員や拠点にどこまで展開されているかを見る指標です。[1] 全社で実施していても、提出資料にその状況を示せていない場合があります。低い結果が出たときは、自社の実施状況と評価時の提出資料を照らし合わせることが大切です。
管理指標「範囲」で確認されること
「範囲(Coverage)」では、サステナビリティに関する取り組みや認証が、従業員と事業拠点にどの程度展開されているかが確認されます。EcoVadisの公開方法論によると、この指標が適用されるのは従業員1,000人以上の企業です。[1]
活動内容を説明する資料があっても、その資料から実施対象まで分かるとは限りません。たとえば、ある取り組みを実施したことは書かれていても、対象となる従業員や拠点への展開状況が読み取れない場合があります。自社の結果を見るときも、何を実施したかに加えて、どこまで実施しているかを確かめることが大切です。
また、社内で使う「全社的な取り組み」が何を指すのかも確かめる必要があります。全社で実施する方針を決めた段階と、各部門や拠点で実際に実施している段階には違いがあります。自社でこの言葉がどちらの状況を指しているのかが分かると、結果を検討しやすくなります。
全社で取り組んでいても低く出る理由
社内で把握している実施状況が、提出資料に十分に表れていないことがあります。EcoVadisの公開ヘルプセンターでは、質問票への回答は適切な証拠書類で裏付けられている場合に考慮されると説明されています。[2]
担当者にとっては当然の情報でも、提出資料を読む人が同じ事情を知っているとは限りません。そのため、取り組みの展開状況を社内で把握できていることと、提出資料から確認できることの間に差がないかを確認することが大切です。
自社の評価結果について確かめたい点
確認の対象となるのは、評価結果の説明、評価時に提出した資料、実際の取り組みの展開状況です。点数の高低だけでは、追加の対応が必要な箇所までは判断できません。
資料を見るときは、社内にある資料と、当時の評価で提出した資料を区別することが大切です。評価後に更新した資料を読んでも、その時点の提出内容は確かめられません。また、提出書類には評価範囲(評価の対象となる組織の範囲)に関連する内容であることなどが求められています。[2] 自社が把握している実施状況と、提出資料が説明している対象が合っているかも確かめましょう。
実際の展開状況によって、今後検討する内容も変わります。取り組みをさらに広げる余地があるか、現在の運用でどこまで対応できるかは、関係部門との確認事項になります。すでにできる範囲で実施している場合もあるため、点数だけを理由に拡大を求める前に、自社の状況を把握しておくことが大切です。
なお、資料に展開状況の記載があっても、それだけで個別の点数の理由が分かるとは限りません。確認できた事実と、まだ理由が分からない点を区別したうえで、必要に応じてEcoVadisの窓口に確認することも検討できます。
コンサルタントの視点
当社の支援経験では「全社で実施している」と説明されていても、展開状況が提出資料に表れていないケースがありました。また、展開状況を示した資料を提出していても、個別の点数が付いた理由まで特定できなかったケースもあります。
反面、資料の不足だけで説明できるとは限らないと考えています。実施対象が限られている可能性も含め、自社の状況を確認する必要があります。
証拠書類については関連記事「EcoVadisの証拠書類:既存の資料で何を確認すればよいか」もご参照ください。自社の評価結果や提出資料の確認について、リクロマへご相談いただけます。
よくある質問
EcoVadisの「範囲」が低いと、取り組みを実施していないという意味ですか?
いいえ、低い点数だけでは、取り組みを実施していないとは判断できません。実施していても展開状況が提出資料に十分に表れていない場合があるため、実際の状況と評価時の提出資料を照らし合わせる必要があります。
全社で実施する方針があれば、取り組みが全社に展開されていると考えてよいですか?
いいえ、方針を決めたことだけでは、各部門や拠点での実施状況までは確認できません。社内で「全社的な取り組み」と説明している場合も、実際にどこまで実施しているかを確かめましょう。
「範囲」の評価結果を確認するときは、社内にある最新の資料を見ればよいですか?
評価時に提出した資料を確認する必要があります。評価後に更新した資料では当時の提出内容を確かめられないため、今回の点数を検討する際に参照している資料が、評価時のものかを確かめてください。
「範囲」が低い場合は、取り組みの対象を広げる必要がありますか?
点数だけでは、取り組みの対象を広げる必要があるかは判断できません。すでに対応できる範囲で実施している場合もあるため、実際の展開状況や今後対応できる範囲を関係部門と確認しましょう。
参考文献
[1] EcoVadis「EcoVadis Sustainability Rating: Methodology disclosure document for the public, rating users and rated items」2026年9月版。
[2] EcoVadisヘルプセンター「証明書類について」
EcoVadis対応の支援
EcoVadis 回答支援
【このサービスに含まれる内容】
・質問票の内容や必要な資料についての説明(ヒアリング研修)
・提出資料の精査と、質問票への記入・添付
・結果の公開後に、次年度に向けた改善案を提案

リクロマの支援について
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