Last Updated on 2022年12月1日 by 西家 光一

11月8日、英国の移行計画タスクフォース(Transition Plan Taskforce = TPT)は、2050年のネットゼロ達成に向けて、企業の気候移行計画に関する情報開示のフレームワーク案を公表しました [1]。

公表された同フレームワーク案は、ネットゼロ達成に向けた企業の取組みについて「透明性」と「説明責任」を高めることを目的としており、グリーンウォッシュを防ぐための制度設計が進められています。同フレームワーク案では、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)やグラスゴー金融同盟(GFANZ)と連携を取り、企業の気候移行計画策定の「ゴールドスタンダード(標準)」を確立することを目指すとしています。

今回の発表では、気候移行計画の実行のためのガイダンス案や、気候移行計画策定に向けて同フレームワークとガイダンスのテストが可能な「サンドボックス」も公開されています。TPTは、フレームワーク案とガイダンス案を2023年2月までに公開し、サンドボックス等から得られたフィードバックを踏まえた最終提言を、2023年にまとめる方針としています。

TPTは、2021年グラスゴーで開催されたCOP26で、英国が示したサステナビリティ情報に関する戦略をまとめた「Greening Finance Roadmap」の中で発表され [2]、2022年4月に正式に発足しました。英国では、TCFD開示についても開示義務化が進められており、2021年10月に、上場企業1,300社以上に対するTCFD開示の義務化をG20諸国で初めて発表していました [3]。


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【参考】
[1] TPT(2022)「The Transition Plan Taskforce Disclosure Framework
[2] GOV.UK(2021)「 Greening Finance: A Roadmap to Sustainable Investing
[3] GOV.UK(2021)「UK to enshrine mandatory climate disclosures for largest companies in law

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