Last Updated on 2026年1月12日 by Sayaka Kudo

【気候変動関連用語がまるわかり!用語集はこちら

気候変動対応では、フレームワークに沿った情報開示を進めていく必要性が高まっています。しかし、多くのイニチアチブや用語を目にし、その違いや関係性の複雑さに混乱する方も多いでしょう。本記事では、SSBJとその周辺用語(CDP、SBT、RE100、TNFD、IFRS、LCA、CFP)との関係性についてわかりやすく図でまとめ、解説いたします。

気候変動対応において重要なイニシアチブとは?

気候変動対応を進めていく中で目にする「イニシアチブ」とは、国際機関が推奨する、気候変動における企業のリスク・対策・戦略などの情報開示や目標設定などの「義務ではないが率先して行う取り組み」です。

企業はそれぞれのイニシアチブが定める基準やフレームワークに沿った開示や目標設定を行います。イニシアチブごとに企業が対応するポイントが変わるため、それぞれの目的をとらえる必要があります。

各イニシアチブが求める内容とその違いは?

主要イニシアチブを事業ごとに分類すると、3つのフレームワーク群(気候関連のリスク/機会の開示フレームワーク群、目標設定フレームワーク群、環境負担の評価 フレームワーク群)に分けることができると捉えています。
ここでは、イニシアチブの相違点を明瞭にするため「目的・内容・誰に」を以下の定義で使用します。
【目的】機関の目的/行動
【内容】企業が開示する内容
【誰に】情報開示の対象者

気候関連のリスク・機会 開示フレームワーク群

SSBJ (Sustainability Standards Board of Japan)

【目的】気候変動に関するリスクと機会の財務影響開示を企業に促す
【内容】ガバナンス/戦略/リスク管理/指標と目標から成る
【誰に】投資家、金融機関

CDP(Climate Disclosure Project)

【目的】・環境に与える影響に関する情報開示を企業に促す
    ・企業への質問書送付と回答内容をもとにスコア付け
    ・投資家へスコアを提供
【内容】気候変動/フォレスト/水セキュリティに関する質問書の回答
【対象】投資者

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【目的】自然環境/生物多様性に関するリスクと影響の情報開示を企業に促す
【内容】自然関連の「ガバナンス/戦略/リスク管理/指標と目標」から成る12項目(v0.3)
【誰に】投資家

目標設定フレームワーク群

SBTi(Science Based Targets initiative:科学に基づく目標設定イニシアチブ)

【目的】

企業に対して温室効果ガス削減目標(SBT)を設定することを支援し、適合していると認められる企業に対してSBT認定を与える
【内容】削減目標設定
【対象】投資家

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RE100(Renewable Energy 100%)

【目的】事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにし、温室効果ガスの削減を目指す国際的なイニシアチブ
【内容】賛同企業が加入する
【対象】投資家

環境負担評価 フレームワーク群

LCA(Life Cycle Assessment)

【目的】製品やサービスのライフサイクル(原料採掘~廃棄・リサイクル)の環境への影響を定量的に評価する
【対象】消費者、企業自身(製品やサービス環境視点での改善)

LCAの算定をご検討されている方は、「LCAとは?実践的な算定ステップから活用事例まで紹介」をぜひご覧ください。

CFP (Carbon Foot Print)

【目的】LCA手法をベースとしライフサイクルで排出される温室効果ガスのみの環境への影響を評価する
【対象】サプライヤー、消費者

LCAとCFPの仕組み
弊社作成

まとめ

本コラムでは気候変動に関する情報開示における乱立する「イニシアチブ」を類型化してそれらの違いを解説しました。それぞれの用語の違いを明確に理解し、目的を捉えながら開示を進めていくことが重要です。

#SBT#CDP

参考文献

[1]環境省(2022)「RE100について」(閲覧日:2026年1月8日)
[2]環境省(2023)「カーボンフットプリント ガイドライン」(閲覧日:2026年1月8日)
[3]国立研究開発法人 国立環境研究所2022)「ライフサイクルアセスメント(LCA)」(閲覧日:2026年1月8日)
[4]サステナビリティ基準委員会(2025)「サステナビリティ基準委員会がサステナビリティ開示基準を公表」 (閲覧日:2026年1月8日)
[5]サステナビリティ基準委員会(2024) 「SSBJ 基準と ISSB 基準の差異の一覧」(閲覧日:2026年1月8日
[6]CDP(2024)「CDPとは」(閲覧日:2026年1月8日)
[7]Science Based Targets initiative(2024) 「SBTiとは」 (閲覧日:2026年1月8日)
[8]TNFD(2023)「TNFD最終提言(Final Recommendations)」(閲覧日:2026年1月8日)
[9]TNFD(2022)「TNFD 自然関連 リスクと機会管理・情報開示フレームワークベータ版 v0.3 概要」(閲覧日:2026年1月8日)

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  • 大学では気候変動の経済学を専攻し、リクロマ株式会社には創業初期よりコンサルタントとして参画。
    情報開示支援を中心に温室効果ガスの排出の算定や高度なシナリオ分析の業務を担う。

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