Last Updated on 2022年6月18日 by 西家 光一
企業の環境対策を評価する国際NGOであるCDPは、1月19日、従来約500社だった調査対象を、東京証券取引所が4月に開設するプライム市場の全上場企業(1841社)に拡大すると表明しました。
日本の調査対象企業は約500社でしたが、今回の発表で、1841社(プライム市場の全企業)にまで拡大されました。世界では約9600社が回答済みで、回答済み企業の時価総額の合計は世界全体の約半分に相当する規模になっています。
CDPの質問書に回答した日本企業のうち53社が、2020 年に気候変動のA評価を受けました。
尚、CDPホームページによると、CDP情報開示のスケジュールは以下の通りです。
3月:対象企業代表者様宛に開示要請レターを送付
4月:回答開始
3~7月:回答のためのウェビナー開催
7月27日:回答締切
CDP(旧 Carbon Disclosure Project)は、2000年に発足したロンドンに本部を置く国際NGO(非政府組織)です。主な活動として、時価総額が大きい世界各国の企業の環境活動への情報を収集/分析し、A~D-の8段階で評価して機関投資家向けに開示しています。より具体的には、年に一度調査対象企業に質問書を送付し、その回答内容を基に、環境に対する「ガバナンス体制」「戦略」「リスクと機会の認識」「目標」「CO2排出量の実績」等を評価しています。
【参考文献】
CDP(2022)「CDP2022対象企業拡大リリース」https://cdn.cdp.net/cdp-production/comfy/cms/files/files/000/005/540/original/CDP2022%E5%AF%BE%E8%B1%A1%E4%BC%81%E6%A5%AD%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9_web_final.pdf
- カーボンプライシングとは?国内外の動向と企業への影響を解説Last Updated on 2023年11月30日 by 安井悠真 TCFDの開示項目の一つである「戦略」に取り組む中で、多くの企業がリスク及び機会に「炭素税の導入によるリスク」を挙げています。投資家にとってリスク機 […]
- 脱炭素に向けた”移行計画”の開示基準と開示例を解説Last Updated on 2023年11月27日 by Arata Imao 2022年4月、英国で「移行計画タスクフォース」が立ち上がり、また2023年6月に公表されたISSB基準の中でも移行計画の開示が求められ […]
- COPの基礎知識とCOP28の動向について紹介Last Updated on 2023年11月24日 by Arata Imao 2023年11月末から、COP28が開催されます。COPでは、世界全体での気候変動対策が議論されますが、そもそもCOPとはどのようなもの […]
- 企業の環境影響を評価・公開するCDPとは?Last Updated on 2023年11月10日 by Arata Imao 企業の社会的責任や投資市場の文脈で聞かれるCDPという組織。 今回は、企業のサステナビリティーを考えるうえで必須のCDPという組織につい […]
- 国際エネルギー機関(IEA)が1.5°Cに気温上昇を抑えるための、新しい脱炭素ロードマップを発表Last Updated on 2023年11月7日 by Arata Imao 9月26日に国際エネルギー機関(IEA)が1.5℃に気温上昇を抑えるための、新しい脱炭素ロードマップを発表。IEAが発行するレポートは世界 […]