Last Updated on 2022年6月18日 by 西家 光一
丸紅は2月17日、インドネシアの国有石油大手であるプルタミナ社と、インドネシアにおける脱炭素事業の共同開発に関する覚書を締結したと発表しました。
両社は二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage。以下、CCUS。)事業を皮切りに、排出権の創出、バイオマス燃料の製造事業など、脱炭素事業の共同開発に取り組む見込みです。
CCUSとは、発電所や化学工場などから排出されたCO2を分離・貯留し、利用する試みです。例えばアメリカでは、CO2を古い油田に注入し、油田に残った原油を圧力で押し出しながら、同時にCO2を貯留する手法が取られています。この事例では、CO2削減と石油の増産を実現しています。
丸紅は昨年3月に策定した気候変動長期ビジョンの中で、2050年GHG排出ネットゼロの達成と事業を通じた低炭素・脱炭素化への貢献に言及しています。
今回の発表はその具体的な取り組みの1つであり、CCUS事業を通じて気候変動への取り組みを強化すると共に、プルタミナ社との積極的な事業展開を通じて、インドネシアの持続可能な経済発展に貢献していく狙いがあります。
【参考】
丸紅株式会社(2022年2月17日)「インドネシア国有石油会社(プルタミナ社)との覚書締結について」URL:https://www.marubeni.com/jp/news/2022/release/00016.html
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